「出雲と大和」展に行ってきました。(後編)

【出雲と大和】前編後編

「出雲と大和」展の案内板の画像。
「出雲と大和」展の案内板。上野公園入り口にて

第2展示室へ、ここからが私の楽しみにしていたものが並ぶコーナーです。新沢千塚126号墳出土のペルシャ製ガラス碗!これがコロンとしてて落ち着いた色の水玉模様があって、とってもかわいくて素敵です。隣にはコバルトブルーもお皿もなかなかです。こちらは金箔で模様を貼って附けていたそうです。お皿もお碗も見て楽しむものなのかもしれません。古墳では埋葬された人の枕元にあったそうで、愛玩してたのかな、と想像します。耳には素敵な揺れるタイプのイヤリング、指輪が6個、ブレスレットが一つとかなりのおしゃれさんです。帽子には素敵な金の飾りがあるし、アイロンまで持ってたなんて女子力高し、きっと高貴な女性だったんでしょうね。

次は、もう一つのお目当ての七枝刀です。近くで見ると、あの不思議な形なんですが「こんな大きさだっけ?」普通の日本刀くらいの長さに枝みたいなのが6本ついてます。金の象嵌で入れた文字が見事に浮かび上がっています。でも、刀身は錆ちゃってます。確かに研げば削れるって研師の松岡先生が言ってたから研げないのです、字が消えてはいけません。ところで七枝刀ってどの部分に刃がついてるのでしょうか?先端部は切れそうだけど、全部についてるようにも見えたのですが、よくわかりません。それにしても、まったく不思議なものです。

隣には「日の御盾」ともいわれる巨大な鉄の盾があります。なにせ重そうで頑丈そうです。蔵に仕舞ったまま1500年ってのも想像を絶するところです。

次は藤ノ木古墳の副葬品が並びます。これでもか、と金色が並びますが、ほとんどが鉄の上に金箔を貼ったもので、錆びて大変そうです。キラキラに光る金の馬具、埋葬されたのはさぞや派手好きの女性かと思いきや、男性2人、ビックリです。今回は空いていてじっくり見れるので鞍の文様に入っている動物たちを見て楽しみました。

もうおなか一杯、埴輪や環頭太刀、そして玉が並ぶのですが、目も脳も固まってしまいました。そのまま「第4章 仏と政(まつりごと)」コーナーをざっと見ます。飛鳥仏が7体って、これだけで充分特別展できそうなのに、見る人もまばらです。ちょっとハッとしたのが當麻寺持国天立像です。ものすごく濃い顔に立派なあごひげ、かなりのイケメンです。そして、踏まれてる邪鬼が丸まっててとってもキュートです!これは予想外のラッキーです。

焼けた後の法隆寺本堂壁画の複製陶板の画像。
焼けた後の法隆寺本堂壁画の複製陶板。

奈良平安の仏像たちも、チラ見するのが精いっぱい。最後に焼けた後の法隆寺本堂障壁画を写した陶板、その周りを焼け焦げた柱と梁が額みたいに囲んでいます。写真撮影OKだったのですが、写真見てもなんだかわからない!悲しい気分になって展示終了です。時刻は7午前11時、約1時間30分展示を見ていた計算です。

ホールに出ると休憩用ソファーにへたり込んでしましました。あまりにも展示物の量が多すぎる上に国宝重文の嵐です。情報量が多すぎて、頭がマヒしてしまいました。これではいけない、と休憩しながら考えます。幸いにも当日は再入場可なので、全部をじっくり見るのは無理だからピンポイントでもう一度見ることにします。そこで、頭の中で展示の流れを確認します。これまたありがたいことに、ソファーには展覧会の図録を置いてくれているので、時々見て思い出します。

「出雲と大和」展の会場・東京国立博物館の平成館の画像。
「出雲と大和」展の会場・東京国立博物館の平成館

まずは巨大な出雲大社、そこから古代出雲にあった独自の祭祀文化を見ました。圧倒的な青銅器が印象的でした。次は同時期の大和、これまた巨大埴輪から石製装身具、そして鏡と続く祭祀文化から大和王権の成立と発展を見ました。そこには渡来人の存在が大きく見えます。そして二つの文化が出合い、相互に影響を与えつつも次第に大和が圧倒して、玉作りに見られるように出雲が大和を支える存在になる、そんな流れだったと思います。

では、今日は何を見るべきか?でもやっぱり、お勉強よりも素敵なもの観たいよね!と心に決めて再挑戦です。再入場したら、入場者が三倍くらいに増えた感じで人気展示物の前にはちょっとした人だかりができています。ターゲットをガラス勾玉、新沢千塚126号墳のガラス碗、七枝刀、島の山古墳の石製合子、双環頭太刀、そして當麻寺當麻寺持国天立像に決めて、それぞれじっくり見て堪能しました。

見終わって思ったのですが、古代の大和では、外国産(中国や朝鮮半島製)やこれに似た金ぴか品をじゃらじゃら付けたハデハデの格好が魅力的だったようです。これは明らかに重い!身動きできないくらい重いんじゃないかと心配になります。このいわばゴテゴテの感じって、今の日本にはあまり残ってない印象です。そう思いながら出口近くで、はっと気づいてあわてて第3部にあった鷺の湯病院横穴出土の金銅製冠まで戻ります。この冠は出雲の人が大和に行ってもらったものだそうです。冠は割れて一部しか残りませんが、その中央に三本のアンテナみたいなのが出たさっぱりした形です。「これっておひな様の冠、即位の礼の時に雅子様がしてた冠に似てない?」、とふと気づいたのでした。

高御座の画像。
大正天皇以来、歴代の天皇陛下が即位の礼に使用した高御座

そういうと、先日まで展示されていた高御座にも通じるものがあるように思います。金ぴかゴージャスです。

全く失われたように見えても、実は見えにくいだけで現在まで古代から延々と伝統は受け継がれているのだ、とちょっと感動しながら今回の見物を終えたのでした。

最終退出は正午、見学は休憩を入れて2時間30分。お昼に向かって込み合う感じですが、とにかく展示物が多いので、やはり見るものを絞った方が楽しめそうです。特に後半の展示物はじっくり見れますよ。

東京国立博物館のマスコットキャラクターのトーハク―とユリノキちゃんの画像。
東京国立博物館のマスコットキャラクターのトーハク―とユリノキちゃん

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