初詣に行ってきました⑥ 藏前神社・篠塚稲荷神社・扇稲荷・石塚稲荷編

「年の初めは氏神様と産土神を詣でて一年の無事を祈るもの」と耳にした私は、物見高い性質を抑えられず、地域の神社をはしごして回ってみようと決意したのです。

すると驚いたことに、それぞれの神社や、神社を崇敬する町の個性がみえてきたのです!

そこで地域の隠れた魅力をお届けする鳥蔵柳浅が、今回は地域の初詣の様子をレポートしたいと思います。

初詣 目次①鳥越神社②銀杏岡八幡神社③須賀神社④榊神社⑤甚内神社⑥藏前神社・篠塚稲荷神社・扇稲荷・石塚稲荷

北風吹きすさぶ1月1日未明に、地域の神社を初詣に回りました。

1月1日午前0時に榊神社を参拝、そのあと藏前神社に向かったのです。

藏前神社(東京都台東区蔵前3丁目14-11)

藏前神社はほぼ暗闇、本殿奥にほんかに灯が見え、新年を迎える神事が執り行われているのが僅かに見えました。

本殿前に10人ほどが列を作り、その中には外国人観光客の姿も見られます。

境内はとにかく静謐、遠くで騒ぐ若者の声が逆に境内の静けさを教えてくれました。

参拝を終えると外国人観光客がsolemnlyとかgraveとかささやくのが聞こえます。

こうして静寂のうちに迎えた新年、その厳かな雰囲気は、深く心に残るものでした。

その後、浅草橋方面に戻って須賀神社銀杏岡八幡神社を詣でた後、扇稲荷を参拝しました。

扇稲荷神社(東京都台東区浅草橋2丁目7)

扇稲荷神社は新福井町会(台東区浅草橋2丁目西半)の町の守り神です。

すでに神事は終わったようで誰もいませんでしたが、暗闇に浮かぶ境内の清廉さと清らかさを際立たせて、厳かな雰囲気を醸し出していました。

都会のただなかとも思えない、誰もいない音ひとつしない静寂が新鮮で、参拝の後も強く印象に残る光景でした。

その後、甚内神社鳥越神社を詣でた後、須賀神社、銀杏岡八幡神社、榊神社を再訪、そして篠塚稲荷神社を参拝しました。

篠塚稲荷神社(東京都台東区柳橋1-5-1)

篠塚稲荷神社はかつての平右衛門町(台東区柳橋1丁目と浅草橋1丁目の南端部)の町の守り神です。今でも町の崇敬者によって守られています。

人気のない通りに鳥居の両脇に掲げられた大きな提燈の灯りが印象的です。

本殿の扉があけられて内殿にも灯りがともされていましたが、こちらも新年を迎える神事が終わったようで人気がありません。

玉垣に刻まれたかつての料亭名に入れられた朱が暗がりに見え、ある意味艶めかしさを感じるのが新鮮でした。

石塚稲荷神社(東京都台東区柳橋1-1-15)

最後に、石塚稲荷神社を詣でます。

初詣客を待つ石塚稲荷の画像。
【初詣客を待つ石塚稲荷】

石塚稲荷神社は、柳橋1丁目東部、かつての柳橋花柳界の火伏として信仰を集めてきた神社です。

玉垣にはかつての料亭や置屋の名が朱で入れられるなど、花柳界の艶めかしさを残す神社です。

暗がりに清掃が行き届いた祠には人気が無く、寂寞とした光景です。昨年は地域で火事が多かったこともあり、本年の無事を祈るのでした。

地域の八社を廻る初詣が終わるころには、いつの間にか北風も収まっています。

改めて新しい年が安寧なものとなることを祈念しつつ家路につきました。

意外なことに、神社によって新年を迎えるやり方が異なっているうえに、神社を支える町にも個性があったのです。

なんにせよにぎやかな鳥越神社と銀杏岡八幡神社、暗闇と静寂の藏前神社、フレンドリーであたたかい須賀神社と甚内神社。

それぞれが長い伝統のなかで新年を迎えるスタイルが出来上がってきたのだと思うと、この狭い地域でこれほど違いが出るものかと、なんだか不思議な気がしてきます。

ですので、頑張って地域の神社をめぐったことで、地域の特性を再発見できたという意味で、年頭からいいことがあったのだと思いました。

初詣 目次①鳥越神社②銀杏岡八幡神社③須賀神社④榊神社⑤甚内神社⑥藏前神社・篠塚稲荷神社・扇稲荷・石塚稲荷

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