酉の市参拝記③ 長国寺はどうですか? 浅草 酉の市:その6

前回まで酉の市で賑わう鷲神社境内を見てきました。

今回は少し場所を変えて、隣にある長国寺の酉の市の様子を見に行きたいと思います。

【浅草 酉の市 目次】その1:浅草に酉の市が来るまでその2:浅草に酉の市がやってきた! その3:浅草 酉の市とは?その4:酉の市参拝記①その5:酉の市参拝記②その6:酉の市参拝記③その7:酉の市参拝記④

酉の市開催中の長国寺山門の画像。
【酉の市開催中の長国寺山門】

なぜ酉の市は二つあるの?

前にみたように、江戸時代、浅草田圃の大鷲神社は隣の長国寺が別当でした。(「浅草 酉の市とは?」参照)

しかし、明治の神仏分離・廃仏毀釈(明治元年(1868)ころ)で寺と神社がわけられて現在に至っているのです。

つまり、鷲神社は長国寺の一部だったわけで、別れてからは鷲神社だけでなく、長国寺でも酉の市を開催しています。

そして鷲神社が「浅草 酉の市発祥の神社」、長国寺が「酉の寺」を名乗っているのでややこしいですが、江戸時代にまでさかのぼると、二つは同じものだったのです。

明治以降、鷲神社は神道色を若干強め、長国寺は仏教的な雰囲気になって違いを演出しているようです。

やはり、酉の市が二つに分かれてから150年ほど経っているのですから、違いがあるのも当然なのかもしれません。

人気なのは神社側、対してお寺は少し人出に余裕がありますが、こちらはこちらで風情があり、贔屓にする人も多いようです。

長国寺では鐘を鳴らしてお参りするのですが、仏様にも商売繁盛のご利益があるんだと少し不思議に思うのでした。

酉の市開催中の長国寺本堂の画像。
【酉の市開催中の長国寺本堂】
長国寺の熊手露店の画像。
【長国寺境内の熊手露店】

酉の市の思い出

鷲神社境内に戻りましょう。

私が到着してから約1時間、参拝客が増えてきました。

参拝の列も門に届きそうな勢いです。

おみくじ売りの巫女さんにお聞きすると、参拝まで約30分とのこと。

あれ、列の長さが倍になっているのに時間は同じ?

不思議に思っていると、近くの屋台のおじさんが、「夜になるとこんなもんじゃない、これくらいだと 序の口、並ぶうちに入らない」と解説してくれました。

そういえば、10年ほど前に一の酉の夜8時頃に参拝に来た時に、門から花園通りを超える500mほどの大行列、参拝まで約二時間待ちって言われたのを思い出しました。

ちなみに、その時はうちの子がまだ赤ちゃんで、私が抱っこしての参拝です。

並ぶ人たちや露店のおじさんおばさんたちが、「赤ん坊が風邪ひいちまう、前に行きな、前に行きな」と 列の前に入れてくれたのを思い出します。

またその時には、見知らぬ露店の店員さんから、「この娘、靴下を履いていないよ!この寒いのに可哀そうじゃないか!」と叱られる、という驚きの出来事が何度も起こるおまけつきでした。

江戸っ子の優しさに触れた忘れがたい夜、今となっては大切な思い出となっています。

縁起物の熊手の露店の画像。
【縁起物の熊手の露店。露店は多くの人で賑わっています。】
鷲神社参拝の行列の画像。
【鷲神社参拝の行列。「これくらいは序の口」だそうです。】

それで今回、迷っているうちにどんどん列が伸びていきます。

自分の体調を考えて、今回は入り口横の臨時拝所から参拝させてもらうことにしたのでした。

今回は長国寺境内の様子と、酉の市の思い出についてお届けしてきました。

次回では、私が帰り道にみた驚くべき光景についてお話ししたいと思います。

【浅草 酉の市】その1:浅草に酉の市が来るまでその2:浅草に酉の市がやってきた! その3:浅草 酉の市とは?その4:酉の市参拝記①その5:酉の市参拝記②その6:酉の市参拝記③その7:酉の市参拝記④

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