前回、ようやくのことでたどり着いた高御座。
そこで今回は、高御座と御帳台を、じっくりと見ていきたいと思います。
【高御座特別公開 目次】①高御座を見に行きました / ②高御座を見に行ってきました / ③高御座をみて考えました
角を曲がったら、いきなりドドーンと目の前に高御座が聳え立っています。
私や周りの方から ため息にも似た感嘆の声が出るほど圧巻で、あまりの非日常的光景に、一瞬違う世界のものかと思ったほどです。
手前に高御座、奥に御帳台が並ぶ様子は、報道で見た「即位礼正殿の儀」と同じ並びとなっています。
高御座、御帳台ともに前面の茵(しとね)が開けられて中まで良く見えるのがありがたいです。
見た瞬間、私は なんだこれは、とのけぞってしまいました。
大きい建物?工芸品?いったいこれは何だろうと考えこんでしまいます。
まず目につくのが鳳凰の群れ。
中央に1羽、屋根の角の棟が蕨手(わらびて)になっている上に各1羽です。
中央、露盤(屋根の真ん中にある四角い部分)上の金色に輝く大鳳凰、よく見ると首部分は七宝?で緑に彩られています。
小鳳凰はサイズを一回り小さくしたもの、金部分も細かな細工がびっしりです。
そして屋根の庇部分居並ぶ金の鏡と白い石、これが交互に並べられているのが見て取れます。
聞いたところでは、白い石は白玉だそうで、これまた超高級品。
また鏡は、光を表すように鏡光という棘みたいなものが放射状につけられて、マンガの効果線みたいになっています。
キラキラ輝くのにようやく目が慣れてきました、私の興奮も少し落ち着いたので、改めて高御座をじっくり下から順にみてみましょう。
一段目は高さ1mほどの黒漆塗り方形継壇で、各面の窓には黄色地に色の異なる麒麟が描かれていますが、よく見ると一匹ずつちょっと違っているのです!
また、鮮やかな朱塗り高欄が縁辺に二段廻らされているのが目を引きます。
二段目は八角形の床板が二段、これも黒漆塗り、一段は20㎝程でしょうか。
先ほどの方形継壇と八角形床板の上には、茜地の錦が隙間なく敷き詰められています。
また、床板の角部分には黒漆塗り円形の柱が合わせて八本配されて、八角形の蓋(きぬがさ:屋根部分)を支えているのが分かります。
茵内の赤、瓔珞の金、梁の黒漆、梁の間の緑、蓋の黒漆、雲気紋の飾り板の青と、鮮やかな色彩が層状に配されて全体の印象を これでもか、と煌びやかに演出しているようです。
幕内に目を転じると、繧繝縁(うんげんべり)の巨大礼盤の上に黒塗りの椅子。
よく見ると、椅子の座面前方まで丁寧に繧繝縁、じゃあ座面は畳かと思うと繧繝縁の錦張りのようです。
これは金井さんが言っていたとおり、天皇陛下は神様だから繧繝縁なんだと感心しつつ 教えてくれた金井さんに感謝です。
そして椅子は、和風というより中国風、禅寺の高僧が座るのに似ている感じです。
ここで、窓に張り付く写真好きの年配男性の群れを避けて、御帳台(みちょうだい)に移動します。
こちらも見事、そしてすべて高御座を一回りずつサイズダウンさせているのが面白いです。
その後、裏から高御座と御帳台を見てみます。
階段が6段、あとでパネル展示の即位礼の天皇陛下を見ると、繧繝縁のすごい沓履いておられたので、あの沓を履いて登壇するのは大変そうです。
ここまで高御座をじっくりと見てきました。
次回では、高御座について、見たことを基にして考えてみたいと思います。
【高御座特別公開 目次】①高御座を見に行きました / ②高御座を見に行ってきました / ③高御座をみて考えました
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