年末の風物詩の一つであった夜回りは、古典落語「二番煎じ」など、芸能の題材になるほど定着していました。
しかし現在、すっかりその風習は寂れてしまい、見かけなくなった地域も多いように思います。
ところが、私たちの街ではまだまだ健在、大人も子供の元気な声で「火の用心」を呼びかけているのです。
そこで今回、娘たちと年末警戒に参加してきましたので、そのレポートをお届けします。
【年末特別警戒 目次】①子供火の用心に行ってみました / ②火の用心 大人編
暮も押し詰まった12月27日、地域にある多くの町会で「子供火の用心」の年末特別警戒が行われます。
それは、防火・防犯を呼びかける年末特別警戒の一環として行うもので、すべてではありませんが、多くの町会で実施されているようです。
見たところ、年末特別警戒そのものは12月27日~29日の三日間実施する場合が多いようで、中には一週間というところもあると耳にしました。
子供火の用心は、この年末特別警戒初日に地域の子供たちが参加する形で行う町会が多いようです。
また呼び名も「子供火の用心」「子供夜警」「子供夜回り」など、地域によって様々ですが、私が効いた範囲では、内容はおおむね似通っているようです。
そこで今回、私は娘たちと柳橋町会の子供火の用心に参加しました。
こちらは子供の参加が2018年から始まったとのこと、もちろん大人の夜回りは江戸時代から続く一種の伝統行事になっているのです。
冷たい北風が吹きつける中、参加者は町会事務所に午後7時に集合、参加する子供は18人、ベビーカーに乗る幼児から中学生まで幅広い年代の子供たちが集まりました。
事前登録した子供全員が集合するまで温かいココアを飲みながら待った後、そろいのゼッケンをつけ、拍子木や赤色誘導灯、提灯を受け取り夜回りの準備をします。
町会長さんから短い挨拶と注意があったあと、蔵前警察署の方々が激励のあいさつに来てくださいましたので、みんなでお話を5分ほどお聞きしました。
そして、いよいよ「子供火の用心」の開始です。
子供たちと保護者は柳橋一丁目と二丁目の二組に分かれて町内を回ることになりました。
子供たちは、リーダーの掛け声と拍子木の音に合わせて「火の用心!」と元気いっぱいの声で叫びます。
そのうちに、「火の用心!マッチ一本火事のもと、焼肉焼いても家焼くな!」と掛け声が変わり大いに盛り上がりました。
この光景を見て、若い女性たちから「かわいい!」と歓声が上がったり、忘年会帰りの男性陣から激励が飛んだり、外国人旅行客から記念撮影をお願いされたりと、子供たちの頑張りを受けて、町全体が少しにぎやかになりました。
町内一周40分ほどでで夜回りは終了、町会事務所に帰ると温かい豚汁がふるまわれて子供たちも大喜びです。
みんなお土産をもらって大満足で家路につきました。
この日は浅草橋三丁目町会などでも子供夜回りが実施されていて、あちこちの町中で、子供たちの元気いっぱいの声が響きわたって、町が少し元気になったように感じるのです。
娘たちに感想を聞いたところ、集まった子供たちの中に、違う小学校に通う子もいたとのことで、新しい友達が出来たのがよかったというのが第一声でした。
また、よく知っているつもりだった自分の町に、始めていくようなところもあって、新しい発見があったのも楽しかったとのことです。
娘たちと参加した「子供火の用心」は、地域と子供たちを結びつける素敵なイベントでした。
みなさんも機会があれば、ぜひ子供火の用心に参加してみてください。
次回はこの後行われた、「大人の火の用心」についてレポートしていきたいと思います。
【年末特別警戒 目次】①子供火の用心に行ってみました / ②火の用心 大人編
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