「今井橋の夕立」川瀬巴水(昭和5年)

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【「今井橋の夕立」〔部分〕川瀬巴水(渡辺版画店、昭和5年)国立国会図書館デジタルコレクション】

今井橋は日本各地にありますが、これは江戸川にかかる橋です。

美しい木組みの橋脚と欄干に、なんともいえない風情があります。

嵐の中、橋を渡る女性がとってもツラそうです。

この今井橋は、行徳へと向かう交通路にあたるうえ、独特の風情があって、田山花袋や永井荷風の作品に登場しています。

「江戸川今井の堤に至り、今井橋のほとりを歩む。行徳浦あたりに通う乗合自動車過行く毎に砂塵濛々たり。されど河岸には松榎の大木あり、蒹葭の間より柳の茂りたる処あり。」(永井荷風『日記』昭和7年6月)

まさに荷風が記す景色と、巴水の作品が重なって見えます。

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【「今井橋の夕立」川瀬巴水(渡辺版画店、昭和5年)国立国会図書館デジタルコレクション】

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