吾妻橋のライトアップが開始されました。
東京都によると、北は白鬚橋から南は工事中の築地大橋までの隅田川に架かる12の橋をライトアップする計画で、現在は駒形橋、厩橋、蔵前橋と、永代橋の夜間ライトアップを実施しています。
当初、2020年3月開始予定でしたが、新型コロナウィルス流行の影響で約6か月遅れてのライトアップ開始です。
またライトアップ・カラーについては、橋の欄干部分を季節ごとに色彩を変化する演出が行われます。ライトアップの時間は日没の15分後から23時00分までとなっています。
吾妻橋は東京都台東区雷門二丁目と墨田区吾妻橋一丁目を結ぶ橋です。
竹町の渡しのあった場所に、安永3年(1774)に町民からの嘆願により架橋されました。
現在の橋は、明治20年(1885)竣工の日本初の鋼鉄製プラットトラス橋が関東大震災で床板部分が炎上したために、一時期木造で応急復旧された後、市電を通すために橋脚幅を広げて昭和6年(1931)に架け替えられたのが現橋です。
現在の橋は「上路式鋼3径間ソリッドタイプ2ヒンジアーチ橋」で、基盤が軟弱なためにニューマッチングケーソンを用い、橋台はアーチの水平反力(まっすぐに戻ろうとする力)を考えて鉄筋コンクリートボックスラーメン(大きなコンクリートの塊に通路用のトンネルをつけた形)になっています。
現在の吾妻橋は、水切りやバルコニーなどのない簡素な橋ですが、それが逆にアーチを強調する効果を生み、質素で気品高い美しさが特徴的な橋となっています。
平成2~4年(1990~1992)の改修工事で、それまで灰色だった欄干部分をより目立つように赤系塗装に変更したことがさらに橋の優雅さを高めました。
平成元年(1989)のアサヒグループホールディング本社ビルと「フラムドール(金色オブジェ)」完成、平成24年(2012)の東京スカイツリー開業と、吾妻橋周辺の新名所誕生も相まって、現在は東京を代表する観光スポットとなっています。
今回は、以前からあった赤い照明をさらに鮮やかなものに改良したことに加えて、アーチの曲線を強調する照明と欄干部分の照明を改良したことによって、橋全体の持つ優雅さと気品を際立って美しさが大幅アップしたのではないでしょうか。
隅田川にかかる蔵前橋から厩橋、駒形橋、吾妻橋と美しいアーチ橋が連続するこの地域は、大変美しい特徴のある景観となっています。
さらに夜間ライトアップによって夜の景観も見ごたえのあるものとなりました。
浅草から南へ浅草橋まで、あるいは逆に浅草橋から北に浅草まで およそ2㎞、隅田川テラスを歩けば信号もありません。
川と空と、そしてライトアップされた橋たちとスカイツリーという幻想的・開放的な景観で心がなんだかスッキリすること間違いなし!
みなさんもこの機会に、夜の隅田川テラスを散歩してみませんか?
なお、隅田川沿いは遮る物がなく、日中は日差しや風が強い時があります。
みなさんコロナ対策ともども十分な備えをして隅田川テラスにおいで下さい。
この記事を執筆するにあたって、東京都建設局 報道発表資料(2019年8月9日、2020年1月14日)を参考にしました。
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