今の「スウィーツ」って昔は「洋菓子」と言ってたのを覚えてますか?
それは手作り感満載で、お母さんが作ったベストに近い感じ、出来そうで出来ない普段のごちそう&ごほうびケーキ!
多くの街で姿を消したそんなお店が私たちの町に残っているのです!
そこで今回は、中屋洋菓子店(東京都台東区台東4-22-10)をご紹介します。
昔ながらの風情が残ることで知られる佐竹商店街のなかほどで、赤い庇がひときわ目につくのが中屋洋菓子店さんです。
大正時代初めの創業といいますから、100年を超える歴史を持ち、現在のご主人が三代目という老舗。
私は一年の半分近くお店の前を通りますし、端カステラ目当てで何度かお店に通ったこともあるのです。
鳥蔵柳浅・トコトコ鳥蔵を見て、ぜひ中屋洋菓子店さんを取り上げてほしいというリクエストが多数寄せられましたので、春の初めの肌寒い日に改めて訪問してみました。
お店のご主人は、だいたい店奥で作業されているので、買うものが決まると、呼び鈴のかわいいベルを鳴らして知らせるのがなんだか楽しい!
そして、出てきたご主人も、一見とっつきにくそうな雰囲気ですが、話しかけてみるといろいろと丁寧に教えてくださいます。
この日も、コーヒーロール(1個170円)がまだ出来上がってないとお詫びの言葉がありました。
ちょっと残念ですが、何といってもこのお店の看板メニューはジャムロール(1個160円)。
快い酸味と甘みを抑えたイチゴジャムをカステラ風の生地で巻いた昔ながらでシンプルな逸品、生地の風味と素朴な甘みが懐かしさを呼び起こしてくれます。
かつてどこかで食べたことがあるような風情で、一口食べると幸福感があふれてくる… 今となっては なかなか出会うことができない、貴重な味と言えるでしょう。
じつは、私の一押しはカステラ(1個170円)、奇をてらわず基本に忠実なカステラは、甘みを抑えたもっちり感のある生地がたまりません。
ですので、その切れ端を集めた端カステラは何よりの大好物なんです!
そして今回の依頼人のイチ押しが季節限定のリンゴケーキ(1個300円)。
その存在は知っていたのですが、今回が初挑戦。
まず、その面構えは中屋洋菓子店らしく基本に忠実で古風な面持ちです。
味の方はというと、見た目通りオーソドックスな味わい。
かつて昭和の時代に、お菓子作りが趣味の女性がリンゴケーキを手作りして最高の出来栄えだったらこんな感じだったかな、といった風情です。
あと、隣に喫茶室があるのですが、空いているのを数度しか見たことがありません。
ご主人に喫茶室のことをお聞きすると、「うちの商品を出してるから(うちで食べるのと同じ)。でもインベーダーゲームがあるよ」
何と、それはすごい!お昼休み頃にちょこっと空いているとのこと。
機会があればぜひ一度行ってみたいと思っています。
中屋洋菓子店は昭和の香りただよう素朴な風情と、懐かしい旨さのカステラが絶品のすばらしいお店でした。
後で知ったのですが、このお店は映画やドラマにたびたび登場する有名店、芸能人にもファンがいるのだそうです。
たしかに趣のあるお店なので納得ですが、それはそれとして名物のジャムロールと創業以来変わらぬ味のカステラは一度味わう価値ありの逸品です。
中屋洋菓子店 店舗情報
所在地:東京都台東区台東4-22-10
営業時間:9時~20時(水曜のみ10時~19時)
年中無休(年末年始などに臨時休業する場合があります)
【文中に記載した金額は、いずれも税込み価格で2020年3月8日時点のものです。また、店舗情報も同日に御主人が教えてくださったものですので、変更されている場合があります。】
中屋洋菓子店が店を構える佐竹商店街では、新年の初売りにはじまり、佐竹サマーフェスタ、秋葉神社大祭、ふくろうまつり街角ギャラリー、クリスマスセール、お楽しみ抽選会など、様々な行事が行われます。みなさんもぜひ、100年以上の歴史を誇る佐竹商店街に足を運んでみてください。
コメントを残す