今回は昭和レトロ感たっぷりの美味いそば屋、更科丸屋さんを紹介します。
更科丸屋(東京都中央区東日本橋2-12-2)さんは薬研堀不動通りの一本北の道沿い、合鴨で有名な「鳥安」や中央区立日本橋中学校が近くにあります。
とても分かりづらいからか、地元のビジネスマンしか来ないのかもしれません。
更科丸屋さんに行くのは、実は10年ぶり。
昔々、下の娘が生まれる前に二三度行ったことがありました。
おかみさんがとても親切で、幼かったお姉ちゃんをかわいがってくれて、ゴマの香りがたまらない揚げたてのエビ天をお姉ちゃんが手掴みでほおばってた光景が忘れられません。
また来るからね、とお店を後にしてはや10年、ようやく約束が果たせました。
さて、お店の佇まいは10年前とほとんど変わりません。
食品サンプルも昔のまま。
がらりと引き戸を開けてはいると、こじんまりした店内に、木彫りの看板、葦簀天井、正面の品書き札、壁の雉と鴨の剥製と、お店の内装も、テレビが大きくなっただけでほとんど変わっていないようです。
高度成長期を思わせる店内は、懐かしさを感じるほっこり空間。
お店着が午後1時、店内は7つあるテーブルに一組づつ散在する感じです。
下の娘と何食べようか迷っていると、おかみさんがお茶を持って来てくれて、笑みを浮かべながらお話ししてくれました。
「あれれ、今日は学校どうしたの?」「インフルで学級閉鎖、おやすみになっちゃった」「あらら、そりゃ大変!」などとほっこりする世間話です。
このタイミングでビジネスマンらしきビシッとしたお姉さんが入店、引き戸を開けるなり、「おばちゃん、久しぶり!」「あらー、どうしてたの?」と映画「寅さん」みたいな会話にびっくり。
お姉さん、座るなり「鴨せいろ、今日は普通盛りで」と注文。
おかみさん、「体調でも悪いの?」「イヤー昨日飲み過ぎた」どこまでも昭和人情劇です。
今回注文したのは、娘が今日のそば定食、この日は天南そば定食(850円)、私が鴨せいろの大盛り(850+100円)。
おかみさんが「鴨大、定食!」と声を上げると、カウンター奥の調理場から「あいよ!」と威勢の良い声が返ってきました。
カウンターの向こうには、二人の料理人がてきぱきと働く姿がちらちら見えます。
ボーっと店内の心地いい雰囲気に浸っていると、5分足らずで注文の品をおかみさんが運んでくれました。
娘の天南そば定食は、揚げたてのエビ天がドカンと乗ったネギたっぷりのそば、エビ天からは胡麻の香りが食欲をそそります。
これにご飯とお漬物がセットで付いて、ボリューム満点。
私の鴨せいろは、うずたかく盛られたそばと、見るからに濃厚そうな付けダレ、そばは白く輝く細めで角が立つくらいの硬さ加減、これぞ更科といったそばです。
付けダレを少し口に含んでみると、濃厚でしょっぱい!
でもそばをタップり浸して食べると、ちょうどいい塩梅、これはおいしい!
鴨せいろは鴨の油が溶け出して付けダレをこってり濃厚なイメージですが、丸屋さんのは魚介系のダシがぎゅっと詰まって深い味わいになっています。
これに刻んだ鴨肉がゴロゴロと入っていて、これが食感もよく、なかなかに味わい深いおいしさです。大盛り100円プラスでこのボリューム感もたまりません。
娘が天南を口いっぱいに頬張るのを見ながら、心地よくそばをすすっていきます。
ほどなくしておかみさんが蕎麦湯を持って来てくれました。
鴨せいろの付けダレが冷めて薄まってきたので、薬味の鶉卵とわさび・ねぎを付けダレに投入、付けダレの濃厚さが勝ってほとんど変わらない!すごい濃厚さに感心。
二人そろって完食、まんぷくの大満足で揃ってご馳走様を言うのでした。
おかみさんに店内の写真撮影の許可をお願いすると、二つ返事で快くOK。
娘とドタバタ撮影するのをお客さんたちも笑顔で見守ってくれるのでした。
娘と訪れた更科丸屋さんは素敵なおかみさんとほっこりできる店内、なつかしい味わいのおいしいおそばで これぞまさに昭和レトロの極み、なんとも充実した時間がたまらないお店でした。
更科丸屋お店情報
場所: 東京都中央区東日本橋2-12-2
営業時間:11時30分頃~15時 17時30分~
定休日:日曜祝日
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