みなさんは子供のころ、古びた喫茶店でクリームソーダやミルクセーキを親や祖父母と飲んだ、なんて経験はありませんか?
あるいは真っ赤なウインナーの入ったナポリタンや山盛りのパフェなんかを食べたことは?
もうすっかり見かけなくなった昔の喫茶店、そんなお店が私たちの町では今も営業しているのです!
今回はそんな喫茶店の代表、「純喫茶ゆうらく」(東京都台東区浅草橋1-2-10)をご紹介します。
氷雨模様のあいにくの天気の午後、下の娘がインフルエンザから復帰して元気に登校を始めたお祝いに食べたいものを聞くと「パフェ!!」との答え。
どこに行こうか迷う私に、娘が希望したのがこの「純喫茶ゆうらく」さん、さっそく二人で訪れました。
毎日のように前を通るものの、お店に入るのは今回が初めて。
ドキドキしながら扉を開けると、驚くような光景が広がっていました。
店内はまるで1970年代そのままの光景、近未来的デザインがあふれる内装、モダンで丸い感じの調度、そこここに置かれた観葉植物。
どれをとっても私が子供のころ見た光景そのもの、驚きと同時に懐かしさがこみ上げてきます。
娘には不思議な光景だったようで、「なんか見たことない感じ、おもしろ―い!」と喜んでいました。
お店の内装は壁紙を張り替えただけで創業当初からほとんど変わってないそうです。
ボックス席が20ほどの店内には、ランチタイムと3時のティータイムの間というのに各ボックスにお客がいました。
さて、娘の狙うパフェはチョコレート【510円】とバナナ【560円】、季節限定でイチゴ【610円】の三種。娘はなぜかバナナを選びました。
私はコーヒー【400円】をオーダー。
二人でメニューを研究、ランチの充実ぶりに驚きます。
今はランチタイムが終わって落ち着いた店内も、きっとランチ時間は込み合うのでしょう。
壁には見慣れないサインが! よく見ると「渡辺謙」と読めました。
なんでもこのお店がドラマの撮影で使われた際のものとか、お店の風情を褒めておられたとのことです。
お店があるのは神田川にほど近い、かつて石切河岸とよばれた職人の町でした。
超絶技巧の蒔絵師・日本画家柴田是真が工房を構えたのもこのあたりです。
明治後期からは柳橋花柳界の発展などもあって、この辺りには隅田川での船遊びの舟を出す船宿が並んでいたのです。
現在はすっかりオフィスビルやマンションが立ち並んで、このお店は浅草橋のビジネスマンたちの憩いの場となっているのです。
先にコーヒーが到着しました。
苦みや酸味を抑えたマイルドな味わいです。
続いてパフェ到着。
バナナをふんだんに盛り付けた、にぎやかな姿に娘は「バナナはみ出してるー!」と大喜びです。
さっそくカラフルなスプレーチョコがかかった生クリームを口いっぱいに運びました。
パフェは人を笑顔にしてくれる、そのお手本なような有楽のパフェ、カステラ生地のかさ上げ無しで芯までアイスクリーム、大満足のおいしさです。
食べ終わって撮影許可をお願いすると、二つ返事で快諾してくれました。
そこから娘があちこちを激写します。
「店の奥が面白いよ」とおかみさんが案内してくれた丸いボックス席は、周囲を細い金属製の柱で囲んだ70年代のお洒落空間、これには改めて驚きました。
この特等席には外からやわらかな光も差し込んで、洗練された快適空間を作り出しています。
お礼を言って店を出た後、冷たい北風に吹かれてもなんだか心がぼわんと温かい感じが心地よい「喫茶有楽」さんでした。
また、このお店はマニアの間では有名で、こみ合うこともあるようですので、コアなランチ時は避けるのがベターかもしれません。
純喫茶 ゆうらく(喫茶 有楽)店舗情報
所在地:東京都台東区浅草橋1-2-10
アクセス:浅草橋から神田川北岸沿いの道を西に約100m。JR中央総武線 浅草橋駅西口から南へ・突き当りを左折すぐ(約200m/徒歩2分)
営業時間:7時~19時、ランチタイム11時~15時
定休日:日・祝日
【文中ならびに写真のメニューと料金は、2020年2月時点のものです】
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