前回みたように、現在、越前勝山といえば、なにを置いてもまずは「恐竜」、みんな恐竜が大好きなだけに、それ以降の人間の歴史は消し飛んでしまいがち。
そこで今回は、越前勝山がどんなところか、地理的環境を中心にみていきましょう。
「勝山盆地」
越前勝山は、越前国、現在の福井県最大の河川、九頭竜川の中流域に位置しています。
地元の人たちを中心に「勝山盆地」と呼んでいますが、実態は九頭竜川に沿った幅の広い河谷といってよいでしょう。
しかし、河谷の規模は、長さが南北に約10㎞、最大幅は上流側東西、下流側南北とも約4㎞を測るのですから、確かに盆地だというほうが自然なのかもしれません。
周りの山々
あらためて「勝山盆地」の四囲をみると、北には大日山(1,368m)・取立山(1,307m)・烏岳(1,476m)・大長山(1,671m)・赤兎山(1,629m)を要する加越山地が加賀国、現在の石川県との境となってきました。
また、東は経ヶ岳(1,625m)、南には大野盆地があって、西は越前中央山地が福井平野と隔てています。
加越山地には知る人ぞ知る名山が多く、山歩きを楽しむ人たちの間では、とても人気の有山なのだと耳にしました。
盆地内の川
また、盆地内を弁財天川・女神(おながみ)川・浄土川(湯の谷川)・滝波川・皿川・岩屋川などの河川が県境の山地から深く谷を刻みながら流れています。
これらの川は、谷口に扇状地を形成したのちに九頭竜川へと注いでるのです。
河岸段丘
また、九頭竜川沿いには、左岸に不明瞭ながら1段、右岸にくっきりと2段の段丘が発達しています。
このうちの勝山市街から南へ、女神川扇状地に達するものは「七里壁」と呼んで親しまれてきました。
この段丘が勝山では城下町づくりに生かされて、江戸時代には段丘上に武家屋敷、その下の沖積地に町屋が配置されていたのです。
勝山街道
勝山市街を通る勝山街道、現在の国道416号線はかつて松岡道ともいわれた道で、福井・志比口を起点として九頭竜川沿いに勝山や大野を結ぶ重要な交通路でした。
途中の松岡に宿駅が置かれていたほか、市荒川には小船渡が設けられていたのです。
今回は、地理的環境を中心に、越前勝山がどんなところなのかをみてきました。
次回は、越前勝山と小笠原家の歴史を一気にみてみましょう。
コメントを残す