パリ万博の開幕
4月15日は明治35年(1900)にパリ万国博覧会、通称パリ万博が開幕した日です。
会期は4月15日から11月12日までにおよびました。
パリで万国博覧会が開かれるのは、1855、1867、1878、1889に続いて5回目となり、このうち1867年の万博は、日本がはじめて参加したことでも知られています。
なお、この1900年の万博は、第二回近代オリンピックのパリ大会があわせて開催されました。
この万博の象徴となったのが、エッフェル塔です。
ギュスターブ・エッフェルが万博の目玉として建設したこの塔は、高さが300mと、当時けた外れの高さを誇る世界一高い建築物であるうえに、最先端のエレベーターを備えて大人気となりました。
また、会場には動く歩道や、世界で初めて映画館を開いたリュミエール兄弟のシネマトグラフなど、最先端技術が一堂に会し、さながら未来を先取りするかの様相を呈していました。
また、万博に出店したサミュエル・ビングが行った装飾は一大ブームを巻き起こし、店名から「アール・ヌーボー」と名付けられてパリ万博のみならず、時代を代表する装飾様式へと発展しています。
また、この万博は夏目漱石をはじめ多くの日本人が訪れたことも特徴の一つといってよいでしょう。
この万博で公演を行った川上音二郎一座から、貞奴が「マダム貞奴」として大ブレークし、フランスのサラ・ベルナールやイタリアのドゥーゼらと人気を競いました。
私は庵野秀明総監督の名作アニメ『ふしぎの海のナディア』冒頭シーンの舞台として描かれたシーンが忘れられません。
日本初のターミナルデパート・阪急百貨店の開業日
4月15日は、昭和4年(1929)大阪梅田駅に、日本で最初の駅デパートである阪急百貨店が開業した日です。
大阪梅田駅は、阪神急行電鐵株式会社(阪急電鉄)のターミナル駅で、明治43年(1910)に阪急電車の前身である箕面有馬電気軌道の梅田駅として開業しています。
阪急百貨店は、阪急電鉄を創業した小林一三によって設立されました。
その歴史は梅田駅に隣接したビルに老舗百貨店の白木屋を誘致したことにはじまります。
大正14年6月には白木屋との契約終了に伴って阪急直営マーケット「阪急マーケット」を設立します。
この阪急マーケットを発展させると同時に、梅田駅の大改修を行うと同時に昭和4年4月15日に阪急百貨店を開業したのです。
その後、この阪急百貨店は拡張を続け、昭和11年(1936)には売り場面積が5,300㎡を超える規模となり、名実ともに日本を代表する百貨店の一つにまでなりました。
阪急百貨店にはちょっとユニークなサービスがあったのでご紹介しましょう。
百貨店として、衣服や小物、家具、美術品などの物品販売から食堂までと、ほぼ戦後日本各地でみられるようになるデパート特有の幅広いサービスを提供していました。
しかし、そのほかにも結婚相談所や健康相談所が設けられていて、現代にも通じるものまでありました。
また、優秀な女性店員を確保するため、日本で初めてとされる女性店員寄宿舎を曽根につくっています。
また、阪急百貨店は華麗な内部装飾でも人々を魅了してきました。
もともと駅施設だった1階の「バロックドーム」や旧コンコースは長年にわたって人気を博し、映画『ブラックレイン』では撮影場所に選ばれています。
こうして関西人に愛されてきた阪急百貨店ですが、平成24年(2012)に新店舗が全面開業して現在に至っています。
私としては、長年親しんできた阪急大食堂や旧コンコースの風情が焼き付いていまだに瞼に浮かび、忘れられません。
きのう(4月14日)
明日(4月16日)
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