夏の湿気や、冬の結露、湿気って頭の痛いところです。
この難問も、案外 日本古来の知恵で解決できるかもしれません。
そんな優れものが「畳」、畳ってなんと健康にも良いのです!
そこで今回は、畳の原材料と効能について見てみましょう。
畳ってなに?
畳は平安時代に日本で生まれました。
しかし、その起源は古墳時代にまで遡ります。
長い歴史の中で日本の風土に合わせて進化した畳は、高温多湿の環境で暮らすのに最適な床材です。
【目次】その1:日本文化と畳 / その2:畳のすばらしさとは? / その3:伝統の技に挑む / その4:伝統の技-八重畳編― / その5:伝統の技を伝えるのはなぜ? / その6:日本の伝統を明日につなぐ
畳ってどうやって作る?
畳は「床(とこ)」に畳表を縫い付けて作ります。
かつては畳床に稲藁を使用していました。
しかし、抗菌性や衛生面の観点から、金井畳店では床をケナフやヤシなどの天然素材をベースにして作った「ケナフボード」を芯材にして「梅炭クレープ紙」を巻き付けて作っているそうです。
「ケナフボード」は衝撃を吸収するだけでなく、耐久性と断熱性、抗カビ・消臭性を持っています。
また、南高梅の種の炭を擦り込んだ「梅炭クレープ紙」には、高い緩衝性と炭の特性(環境ホルモンの吸着・消臭・調湿・遠赤外線効果)を併せ持つ素材です。
さらに、畳表は熊本県八代産イグサで織り込まれた茣蓙を使用します。
この天然染土使用・無着色のイグサは、抗菌・アロマテラピー・環境ホルモン吸着・調湿などの効果があって、高温多湿な環境にピッタリな優れものなのです。
また、茣蓙には織り方や使用するイグサの品質によって厚みやグレードの違いがありますが、金井畳店では仕上がりに合わせた高品質の畳表を使用しています。
これってパッと見た眼では素人の目で区別しにくいのですが、裸足で歩くと心地よさがまるで違うんです!
畳の効能とは?
ここまで見てきたように、ほとんど天然素材で作られる畳は 地球環境に優しい床材であるとともに、多くの効能を持つといううれしい特性に大満足です。
さらに、研究の結果、 ①森林浴・アロマテラピー効果 ②集中力増進効果(リラックス効果) ③抗菌・消臭効果 ④有害物質吸着効果 ⑤吸湿・放湿効果(湿度調整効果) ⑥衝撃を緩和する効果 という6つの効能が確認されいて、近年は使うと健康に良い建材、安心安全の床材として見直されているのです。
おしゃれな畳の使い方
ここまで畳のすばらしさを見ていました。
最後に畳のすごいところをもう一つご紹介します。
じつは、畳ってフローリングの上に置くだけで設置できるのです!
この特性を活かして、フローリングの上に畳を一枚敷いてベットにするなんておしゃれな使い方がイギリスで流行っていると耳にしました。
畳のすばらしさは国境を越えているのですね。
みなさんも畳のすばらしさを確認してみませんか?
この文章をまとめるにあたって、以下の文献とサイトを参考にしました。ここに記してお礼申し上げます。
参考文献:三谷一馬『江戸職人図聚』1984立風書房、『目で見る江戸職人百姿』1985国書刊行会編・発行、渡辺信一郎『江戸の生業事典』1997東京堂出版、『江戸東京の諸職 下-東京都諸職関連民俗文化財調査報告-』1994東京都教育庁生涯学習部文化課、『畳の魅力』2013全国い産業連携協議会、国史大辞典編纂委員会編『国史大辞典 第9巻』1988吉川弘文館、『うすいけど やわらかい』金井畳店リーフレット、「創業300年 浜田畳店」HP
【目次】その1:日本文化と畳 / その2:畳のすばらしさとは? / その3:伝統の技に挑む / その4:伝統の技-八重畳編― / その5:伝統の技を伝えるのはなぜ? / その6:日本の伝統を明日につなぐ
この町には素晴らしいものを作る方、最上の技術を持つ方が多くいらっしゃいます。例えば、和菓子や豆菓子、佃煮、畳、団扇や茶筒、革製品、革靴、クルミボタン、シャツ、写真、日本刀研磨などなどです。鳥蔵柳浅では、町の匠たちを応援しています。
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