【出雲と大和】前編 / 後編
東京・上野の東京国立博物館で開催されている「出雲と大和」展に行ってきました。
「出雲と大和」展は、日本書紀成立1300年を記念した特別展で、2020年3月8日㈰まで開催されています。
私が見に行った1月28日㈫は冷たい雨の空模様、東京国立博物館到着は午前9時35分、待ち時間0分で会場に入れました。
会場は平成館の二階部分で、中央ホールを挟んで第1会場と第2会場に分かれています。
エスカレーターで二階に上がって左に曲がると、狭くなった第一会場の入り口。
入るとすぐに、巨大な木が!!腐りかけた大木が三本づつケースに収まっています。
よく見ると、大きな穴がいくつか空いていて、表面には何かで削ったような跡が残る場所が確認できました。
これが出雲大社の本殿を支えた宇豆柱(うずばしら)、隣にあるのが心御柱です。
巫女さんが一緒に写っている写真しか見たことが無かったので、度肝を抜かれるスケールです。
穴は木材運搬用に縄をかけるもので、埋めると隠れるのでそのまま残したのだとか。
このスケール、さすがは出雲大社です。
入り口横に人だかり、その先にさりげなく国宝の『日本書紀』があるのですが、年配男性が張り付いていてよく見えません。
とりあえず先に進もうと次の部屋に入ったら・・・巨大な出雲神社本殿模型、これには驚いて立ち止まってしまいました。
私と似た状況なのか、隣の女性が、「これ、本当?イメージってこと?」本当だそうですよ。
天空に浮かぶ巨大神殿、それを支えたのがさっきの心御柱と宇豆柱、とか思いつつも、わたしも今一つ現実味がわきません。
この部屋が「第1章 巨大神殿 出雲大社」、室内には出雲大社の出土品や貴重な文献が並んでいるのですが、模型の迫力で頭に入って来ません。
意地になって見た赤糸縅の立派な鎧も、光忠の名刀も、人がいないラッキーな状況なのに今一つ集中できません。
気が付くと、携帯で写真撮りまくりの年配男性が!はっとしてよく見ると、「第2章 出雲 古代祭祀の源流」、入り口に加茂岩倉遺跡の銅鐸が埋まってた状況を復元したジオラマがあって、写真撮影可、これは嬉しいところです。
そして、部屋にはずらりと青銅器、青銅器、青銅器。
奥の壁面ケースにはずらりと荒神谷遺跡出土の銅剣168本、部屋中央のケースには荒神谷遺跡の銅矛が16本、手前壁面には加茂岩倉遺跡出土銅鐸13個と島根県で出土した銅鐸が並んでいます。
青銅器にはなんだか怨念がこもってる印象なので、部屋全体の空間が歪んでいるように見えてきます。
その奥に、お目当ての青いガラス勾玉が!!
写真では、コロンとした感じでしたが、実物は意外にも板っぽい感じです。
角は丸いのですが・・・じっくり見ると、ガラスが割れないようにこすって削ったみたいなので、丸くするのは確かに難しいのかなあ、と納得です。
でも、ぽっちゃりとしたフォルムがかわいいことこの上なし!です。
奈良県清水谷遺跡の絵画土器がさりげなくあったり、島根県出雲市の西谷3号墳で出土した遺物(先ほどのガラス勾玉もその一つ)が並んだ先、ふと顔を上げると、巨大な埴輪が並んでいます。
ここからが「第3章 大和 王権誕生の地」、目に入ったのは奈良県宮山古墳出土の形象埴輪たちでした。
ただでさえ埴輪ってマジカル色が強いのに、この巨大な埴輪は呪的な色が強烈で禍々しく、すごい圧を感じずにはおれません。
キッツいなーと思ったら、部屋の奥にはメスリ山古墳出土の巨大円筒埴輪が親玉よろしく鎮座しています。
埴輪のイメージを超える大きさ、なのになんだか丁寧に作り込んだ感じがして存在感が半端ないです。
うーん、圧迫感を感じて正直きついです。
気を取り直してみると、「景初三年」銘の鏡とかメスリ山古墳出土の武器武具と玉杖など、大和の名のある巨大古墳のそうそうたる副葬品が並んでいるではありませんか!!
極めつけは島の山古墳の副葬品。
鍬形石21個、石釧31個、車輪石77個がこれでもか、と並んでいます。
これってみんな悪いものを弾き飛ばす僻邪の呪的石製品、見ていて圧迫感この上なしです。
昔見たことがある黒塚古墳の鏡たちもチラ見で済まして、早々に退散します。
☆ ☆
ホールには展覧会グッズのショップがあって、なんだか楽しそうです。
変わったものがいろいろあって面白いのですが、画文帯神獣鏡ポーチって?なかなか落ち着ける雰囲気ではありません。
【出雲と大和】前編 / 後編
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