町に歴史があるように、人にもそれぞれの歴史があるのはご存じのとおりです。
そして、モノにももちろん歴史があって、しかもこれが知らないことだらけだったりするのです!
そこで今回は、オーダーメイドの絶品靴作りの小澤靴店〔東京都台東区鳥越2-7-15〕で、開業時からの看板商品の乗馬靴について見てみましょう。
【小澤靴店】その1:オーダーメイドの靴屋さん ・ その2:幸せになれる靴を作ろう! ・ その3:素敵な靴が出来ました ・ その4:大切な靴にキズが! ・ その5:乗馬靴の最高峰 ・ その6:よみがえった素敵な靴
日本で初めて西洋の靴が作られたのは、明治3年(1870)に築地の入舟町で佐倉藩士だった西村勝三によるとされています。
しかしまだまだ製靴技術は低く、明治前期に当時需要の大きかった軍靴の国産に成功したものの、本格的な靴の国産化に成功したのは ようやく明治時代後期になってからでした。
ですので、明治の洋装では基本的にブーツを履いていました。
創業90年の小澤靴店が創業した戦前は、モダン都市と言われた東京でさえ、庶民は和服草履が主流で洋装の人は半分に満たなかったようです。
このような状況でしたので、当時の小澤靴店でも靴の注文はまだまだ少なく、主に乗馬靴や軍靴・ブーツを作っていました。
創業当初からのドイツ・アドラー社のブーツ用ミシンは今も現役、創業当初からの高い技術は 2代目小澤武彦さんと3代目・弘利さんに引き継がれて、今も素晴らしい乗馬靴やブーツを生み出しています。
小澤さんが作った乗馬靴についてもお話が聞けました。
乗馬靴は戦前、短めで縁が水平なものが好まれたそうです。
これはやはり、軍靴の影響が大きいとういわざるを得ません。
軍靴は乗馬時だけでなく歩行にも多く使われますが、深いと歩きにくくなるために浅いのもが好まれた、ということのようです。
戦後、乗馬靴は次第に長く縁が斜めになっていきます。
現在のものはかなり縁が斜めなのですが、これは脚が長く見える効果があるそうです。
小澤さんによると、じつは機能的にはあまり変わらないのだとか。
そして、乗馬靴で最後にもう一度足を計測することの重要性について教えてくれました。
乗馬靴の場合、完成後の計測で足やふくらはぎのサイズが大きくなったらすぐに履けなくなってしまいます。
逆に、足が小さくなったら、乗馬靴の中で足が動いてしまうので、乗馬に支障が出るのだとか。
乗馬靴は足と脚にそれくらいフィットしていないと、十分なパフォーマンスが発揮できないんだそうです。
創業当時と変わらぬハンドメイドの乗馬靴は多くの乗馬愛好者に支持される逸品です。
乗馬靴製作技術を生かしたブーツの制作も、もちろん可能とのことでした。
みなさんも ぜひ小澤靴店の創業以来の高い技術を見てみませんか?
この町には素晴らしいものを作る方、最上の技術を持つ方が多くいらっしゃいます。
例えば、和菓子や畳、団扇や茶筒、革製品、クルミボタン、写真、日本刀研磨などなどです。
鳥蔵柳浅では、これらの方々を応援しています。
【小澤靴店】その1:オーダーメイドの靴屋さん ・ その2:幸せになれる靴を作ろう! ・ その3:素敵な靴が出来ました ・ その4:大切な靴にキズが! ・ その5:乗馬靴の最高峰 ・ その6:よみがえった素敵な靴
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