日本の伝統を明日につなぐ 金井畳店 その6

前回まで金井功さんが、いかに日本の伝統と向き合う姿勢についてみてきました。

今回は少し見方を変えて、金井さんの伝統を後世に伝える努力について お話ししたいと思います。

金井畳店 目次その1:日本文化と畳 / その2:畳のすばらしさとは? / その3:伝統の技に挑む / その4:伝統の技-八重畳編― / その5:伝統の技を伝えるのはなぜ? /その6:日本の伝統を明日につなぐ

金井さん作の畳を使用した和室の映像。
【金井さん作の畳を使用した和室。開放感があって素敵です。 写真提供:金井畳店】

畳とは?

まずは「畳とはなにか」からおさらいしてみましょう。

まず畳は何と言っても、千年以上の歴史を持つ日本独自の床材です。

そして長い歴史の中で、厳しい日本の気候に磨き上げられながら、その時々の社会状況に合わせてさまざまなことを付け加えて今日に至っています。

現在、日本の伝統的生活様式が失われていく中で、畳の約束事も目的が見えなくなっているのもまた事実です。

そこで、金井畳店では伝統を踏まえつつも現代の生活様式に合った畳を提案しています。

次に、畳の伝統を伝える金井さんの取り組みについてご紹介します。

現代的な畳縁が並ぶ画像。
【 現代ではおしゃれな畳縁がたくさんできています。 】

おしゃれな畳

畳と言えば、和風の模様が入った縁を思い出しますが、ここにも現代の工夫が始まっています。

それは、伝統的な畳縁に加えて、水玉や花柄など、かわいいものやスタイリッシュなものなど、次々とこれまでにない新しい柄の畳縁が登場しているのです。

また金井畳店では、フローリングに置いて使う畳や、カラフルな畳表を使った畳など、多種多様な畳を開発しています。

こうした努力もあって、環境負荷や健康増進という側面に加えて、デザインにおいても現代では外国の方や若い人たちから畳が再評価されるようになってきました。

日本文化を伝え守る

また 金井畳店さんは、近隣小・中学校の子供たちに畳作り体験会を開催しています。 

現代では、畳と言えばおじいちゃんおばあちゃん家やお寺を聯弄する子供が多く、中には畳を知らない子供もいたりする状況です。

ですので、畳に触れる体験は限られていますし、ましてや畳を作るのを見るのが初めての子供が数多くいるのが事実なのです。

そんな子供たちに、金井さんは 畳とはどんなものかからやさしく話しを始め、実際に作り方を目の前で見せたり、実地で教えたりしているのです。

そして、実際に畳作りを体験させてもらった子供たちは、初めての体験に大喜びするとともに、ものづくりの楽しさを味わうことになるのです。

金井さんは畳と日本文化のすばらしさを日本人が再発見する手助けをさている 地域にとってかけがえのない人です。

みなさんもぜひ、日本が生み出した畳のすばらしさと、我が町が誇る畳の匠・金井功さんに会いに、東京台東区浅草橋の金井畳店に足を運んでみてください。

店舗情報:金井畳店

所在地:東京都台東区浅草橋2‐13‐9)

ホームページ:http://www.tatamiya-kanai.com/

Facebook:(https://www.facebook.com/tatamiya-kanai/

この文章をまとめるにあたって、以下の文献とサイトを参考にしました。ここに記してお礼申し上げます。

参考文献: 三谷一馬『江戸職人図聚』1984立風書房、『目で見る江戸職人百姿』1985国書刊行会編・発行、『江戸東京の諸職 下-東京都諸職関連民俗文化財調査報告-』1994東京都教育庁生涯学習部文化課、 渡辺信一郎『江戸の生業事典』1997東京堂出版、 『畳の魅力』2013全国い産業連携協議会、国史大辞典編纂委員会編『国史大辞典 第9巻』1988吉川弘文館、『うすいけど やわらかい』金井畳店リーフレット、「創業300年 浜田畳店」HP

【目次】その1:日本文化と畳 / その2:畳のすばらしさとは? / その3:伝統の技に挑む / その4:伝統の技-八重畳編― / その5:伝統の技を伝えるのはなぜ? /その6:日本の伝統を明日につなぐ

この町には素晴らしいものを作る方、最上の技術を持つ方が多くいらっしゃいます。例えば、和菓子豆菓子佃煮、畳、団扇や茶筒、革製品革靴、クルミボタン、シャツ写真、日本刀研磨などなどです。鳥蔵柳浅では、町の匠たちを応援しています。

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