前回まで見てきたように、酉の市は、季節の変わり目を象徴する行事として大切にされています。
そして江戸の昔と現在がつながっているんだと実感できる貴重な機会となっているのです。
【浅草 酉の市 目次】その1:浅草に酉の市が来るまで ・ その2:浅草に酉の市がやってきた! ・ その3:浅草 酉の市とは? ・ その4:酉の市参拝記① ・ その5:酉の市参拝記② ・ その6:酉の市参拝記③ ・ その7:酉の市参拝記④
江戸っ子のやせ我慢を見た!
帰り道、鷲神社から500mほど離れた裏道を通っていると、巨大な熊手を手にしたおじいさんが塀に寄っかかって休んでいるのが見えました。
かなり苦しそうで汗をかき、息も上がっちゃってます。
塀に立てかけた大きな熊手も、縁起物が塀にあたっているのか、なんだか嫌な音が聞こえてくるではありませんか!
「おじさん、大丈夫? 手伝おうか?」と声をかけると、おじいさんはゼイゼイ言いながら、「ありがとよ、でも、そんなことしたら福が逃げちまうよ。」
仕組みはよくわかりませんが、熊手を持つ人に福が来るとかで、私が持つとせっかく集めた福を横取りしちゃうのだとか。
心配しつつも、ここはそっとしておくほかないと思ったのでした。
改めて、江戸っ子のやせ我慢に思いを馳せたところです。
酉の市の伝説
さて、酉の市に話を戻しまして。
今日では、東京の冬の訪れを告げる行事として親しまれています。
ご年配の方を中心に、酉の市と聞くと いよいよ年の暮れだと実感する方が多いように思いました。
「酉の市から寒くなる」なんてことも、何度となく耳にしたところ。
そしてまた、三の酉まである年には、みなさん何かと心配顔です。
酉の市は季節の変わり目を象徴する行事として大切にされているんだと実感するところです。
前段の江戸っ子の意地っ張りのはなしといい、酉の市を巡る数々の言説といい、江戸と今がつながっているんだと、ちょっと感動してしまいました。
みなさんもぜひ、江戸以来の伝統行事 酉の市に出かけてみて下さい。
【浅草 酉の市】その1:浅草に酉の市が来るまで ・ その2:浅草酉の市が始まりました ・ その3:浅草 酉の市とは? ・ その4:酉の市参拝記① ・ その5:酉の市参拝記② ・ その6:酉の市参拝記③ ・ その7:酉の市参拝記④
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