鳥越神社の水上祭 大船団が東京湾を目指す

前回ご紹介した鳥越神社〔東京都台東区鳥越2-4-1〕の茅の輪くぐりですが、実は翌日の7月1日に行われる鳥越神社水上祭はこれとセットになる神道儀礼・伝統行事です。

今回はこの鳥越神社水上祭ですが、私は参加できないので参加された方々からのインタヴューをまとめてご報告します。

神事は例年午前10時開始、午後1時終了予定で実施されるそうです。

鳥越神社の茅の輪くぐりの画像
【鳥越神社の茅の輪くぐり。みんな大喜びで茅の輪をくぐり、夏の無病息災を祈ります。】

前述したとおり、前日に行われた茅の輪くぐり大祓から続く神事で、これらを合わせて夏越しの祓と呼んでいます。

鳥越神社で船上祭の神事が行われるようになった時期は記録がないためはっきりしませんが、江戸周辺の事例から江戸時代前期ごろではないかと推察できます。

次に神事の流れを見てみましょう。

柳橋や浅草橋で、そろいの浴衣を着た町会のメンバーが集まった画像
【柳橋や浅草橋では、そろいの浴衣を着た町会のメンバーが集まります。
船宿が立ち並ぶ界隈は、いつもと違う雰囲気になります。】

儀式の準備として、氏子たちが町会ごとに屋形船を仕立てて神事に参加するのですが、この船を氏子船と呼んでいます。

そして各町会から1~2隻の船を仕立てますので、合計20隻を超える大船団が出来上がりました。

この船団が柳橋から神田川・隅田川を下って東京湾に出て、宮司が乗る御座船を沖合で待つことになります。

水上祭に参加する船で、柳橋を流れる神田川はいっぱいになった画像
【水上祭に参加する船で、柳橋を流れる神田川はいっぱいになります。】

宮司は、前日の大祓で祓えした人形を携えて御座舟に乗り込み最後に出航です。

五色の錦帛で飾った御座舟は柳橋を出て東京湾に出ると、待ちわびた氏子船の群れがこれを囲みます。

大祓の人形代の画像
【大祓の人形代。紙でできた人形に、名前と数え年を記入して体にこすりつけてから一息吹きかけて神社に納めます。これを祓してで無病息災 寿命長久を祈念します。】

準備が整うと、奏楽が流れる中、宮司は御座船の先頭に立ち祝詞を唱えながら携えた人形を海に撒いていきます。

氏子たちは氏子船からこれを見守り神事に立ち合うのです。

こうして、人形を納めた善男善女や氏子の方々が無病息災と寿命長久を祈念する水上祭の儀が執り行われました。

船上祭に向かう町会の皆さんの画像
【船上祭に向かう町会の皆さんは、なんだかとても楽しそうです。】

神事が終わると、御座船から順に柳橋へと戻っていきます。

なにせ大きな船団なので帰還するまでに待ち時間を含めて時間がかかってしまいます、ですのでこの間氏子たちは飲食したり歓談したりして交流を深めるそうです。

基本的に、鳥越神社の氏子の場合は、自分の属する町会の仕立てる氏子船に乗ることで参加が可能とのことです。

この場合、事前に各町会が参加者を募集していますので、こちらをご覧ください。

大祓と水上祭で特別に配布された御朱印の画像
【大祓と水上祭で特別に配布された御朱印。
二つの神事が強く結びついたものであることが よくわかります。】

また、参加される場合は遅刻すると大変なことになるそうですので、こちらのほうもご注意ください。

鳥越神社では、1月の初詣仕事始めから始まりどんと焼き、2月の豆まき、6月の鳥越祭と茅の輪くぐり、7月の水上祭、8月の箸まつり、11月の七五三参りと、一年を通して様々な神事が行われています。

みなさんもぜひ、鳥越神社の神事に参加して日本の伝統文化に触れてみてはいかがでしょうか。

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