五島ってどんなところ?【維新の殿様・五島(福江)藩五島家②】

前回、五島の魅力を子供たちとさぐってみました。

そこで今回は、五島列島がどんなところかみていきましょう。

島がいっぱい

九州の西端に位置する長崎県の、県本土から西へ約100㎞のところ、東シナ海のただなかに位置しています。

総面積はおよそ636㎢で、構成する島の数は141とも152、あるいは190ともいわれていますので、まさに島がいっぱいあるところなんですね。

ものすごい島数ですが、そのうち人が常時住んでいる島の数は30、大半が無人島となっています(1987年時点)。

【グーグルマップは五島列島】

また、奈留瀬戸を境に、北の奈留島・若松島・中通島を上五島、南の久賀島・福江島を下五島と呼んで区別することもあります。

北にある宇久島と小値嘉島は、五島列島と別にする意見もあるようですが、宇久島と小値嘉島は火山島ですので、ちょっと雰囲気が違うのも関係しているのかもしれません。。

島の成り立ち

五島列島の胴体部分は、今から6600~2250万年前の古第三紀の砂岩・頁岩および玦岩といった水成岩からなる傾動地塁です。

この地塁とは、並行に走る二つの断層で、真ん中部分が盛り上がったり、両側が沈降してできた細長い高まりのこと。

さらにこの地塁が、直行する断層によって五つに分かれているのですが、これが「五島」の名の由来なのでしょう。

地形的には平地が少なく、海岸は無数の江津をなす溺れ谷が発達する典型的なリアス式海岸が続いています。

【グーグルマップはアスピーテ・ホマーテという特徴的な火山地形のある福江島鬼岳】

特徴ある火山地形

いっぽうで、南端にあたる福江島は、列島内で最大の規模をもつ島ですが、ここにある鬼岳火山群は、アスピーテ(楯状火山)の上にホマーテ(臼状火山)が重なり合ってできたシンダーコンと呼ばれる地形は、日本では数少ないもので、火山の学術資料として貴重なものです。

島の大部分が西海国立公園に指定されていて、玉之浦湾や若松瀬戸は景勝地として知られているほか、前回みた高浜海水浴場(福江島)や蛤浜海水浴場(中通島)などの美しい砂浜が広がっています。

【グーグルマップは新上五島町の中通島・蛤浜(撮影者:ID1035) 】

島の気候

五島は沖合を流れる対馬暖流の影響で温暖なのですが、台風が多いことでも知られています。

平均気温が17℃、降水量1,863㎜(平成30年(2018))で、この地を北限とする亜熱帯植物が茂る場所もみられるとありました。

行政区分

このような五島列島ですが、行政上もいくつかの自治体に分かれています。

奈留島以南の久賀島、福江島などが平成16年(2004)8月1日に1市5町が合併して五島市が成立し、世帯数19,698、総人口35,714人となっています(2021年7月末時点、五島市Webサイトによる)。

中通島と若松島は、平成3年(1991)に2町が合併して成立した新上五島町に属していて、世帯数9,646、総人口18,138人です(2021年8月1日時点、新上五島町Webサイトより)。

五島列島北部の小値嘉島は小値嘉町で、世帯数1236、総人口2,298人で、この島は江戸時代を通じて平戸藩松浦家の所領となっており、五島列島の中でも少し違った歴史を歩んでいます(小値嘉町Webサイトによる)。

そのほか、五島列島北端の宇久島は佐世保市に、東端の平島と江島は西海市に属していて、現在は五島よりも本土とのつながりが強いようです。

【小値嘉町の象徴、野首教会】

今回は、五島列島の地理的環境をみてきました。

次回は、五島の歴史を一気見してみましょう。

(今回の文章は、『日本地名大辞典』『島嶼大事典』『シマダス』『国史大辞典』および「長崎しま旅行こう」長崎県観光連盟・長崎県文化観光国際部観光振興課、五島市、新上五島町、小値嘉町のWebサイトで得た情報を基に作成しています。)

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