全国交通安全運動  地域で守る安心安全

春や秋に、人気のアイドルたちが交通安全を呼びかける華やかなポスターを見たことはありませんか?

このポスターは全国交通安全運動を知らせるものです。

全国交通安全運動とはどのようなものですか?

全国交通安全運動とは、文字通り交通安全を促進する目的で全国で一斉に実施される国民運動のことです。

それでは、この運動の全貌を知るために、まずは地域での取り組みを見てみましょう。

東京都台東区の南部にあたる鳥蔵柳浅エリアでは、蔵前警察署を地区本部として地域の町会が参加してそれぞれ取り組みを行っています。

交通量の多い場所にテントを建てて、役員の皆さんが道行く人に交通安全の呼びかけたり、町会事務所内に運動拠点を設けて地域住民に交通安全の啓発活動をしています。

また、交通量の多い交差点に旗を持って運動員が立ち、実際に交通ルールの指導や交通安全の呼びかけを行う町会もありました。

さらには地域の企業の中には交通安全運動の趣旨に賛同して、社員の皆さんが交通量の多い交差点や横断歩道で活動されているところもあります。

私たちの町だけでなく、全国津々浦々でこのような交通安全を目指す活動が行われています。

なぜこの運動は行われているのでしょうか?

まず手始めに全国交通安全運動とはどういうものなのか、主催者発表資料から見ていきましょう。

全国交通安全運動は、「広く国民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付けるとともに、国民自身による道路交通環境の改善に向けた取り組みを推進することにより、交通事故防止の徹底を図ることを目的」(警視庁HP)としています。

現在は毎年、春と秋の2回実施していて、期間中は「国・地方公共団体や民間団体が相互に協力して幅広い国民運動を展開」(同上)しています。

次に、この運動のあゆみについて、運動を主催する総務省の発表資料と『平成27年度交通白書』と合わせて見てみましょう。

「交通安全区推進足立区民大会」昭和38(1963)の画像。
【交通安全区推進足立区民大会、昭和38(1963)】

「全国交通安全運動」が始まったのは、昭和23年(1958)です。

この頃は「戦時中減少した自動車事故量に増大の兆しが見え、また交通事故も増加傾向にあったので、何らかの対策を講じなければならない情勢」(内閣府HP)でした。

戦後復興の中で自動車交通量が増加する一方で、道路環境は劣悪だったことが主な原因です。

そこで、国家地方警察本部(警視庁の前進)が「全国交通安全週間実施要綱」を策定して「全国交通安全週間」(12月10日~12月16日)を行うこととなりました。

「交通安全実践団体(寺地明和会)」昭和40年の画像。
【「交通安全実践団体(寺地明和会)」昭和40年】

さらに、モータリゼーションの拡大に伴って交通事故が増大するとともに、交通事故死傷者も増え続ける状況となってしまいました。

これがいわゆる「第一次交通戦争」です。

この状況に歯止めをかけるべく、昭和27年(1962)からは運動が春季・秋季の年2回開催となったのです。

さらに、昭和37年(1962)には国が対策強化のために新たに交通対策本部を設置(昭和35年12月16日閣議決定による)します。

これまで警視庁が策定していた「全国交通安全週間実施要綱」を、交通対策本部が省庁の枠を超えて定めることで活動が大幅に強化されました。

「交通安全実践団体(本木三丁目西町会)」昭和40年の画像。
【交通安全実践団体(本木三丁目西町会)、昭和40年】

これに加えて、昭和45年(1970)には交通安全対策基本法が制定されて、交通安全に関して国・地方公共団体と車の使用者・運転者と製造者の負うべき責任がはっきりと規定されました。

運動の結果や交通環境の整備、交通安全教育の推進などが相まって、交通事故死亡者は昭和45年(1970)の16,765人をピークに減少を続けて、昭和54年(1979)には8,466人とほぼ半数まで減少したのです。

しかしその後、自動車の保有率の増大などにより、昭和63年(1988)には再び交通事故死亡者が一万人を突破、平成4年(1992)には11,452人にまで増加してしまいました。

これがいわゆる「第二次交通戦争」です。

この危機的状況に 取り組みの幅を広げて、国・地方・関係団体、自動車メーカーと国民が一丸となって状況改善に努めました。

運動の成果もあって、交通事故死亡者数は再び減少傾向に転じ、2019(令和元)年度は3,215人と、昭和23年の統計開始以降で最も少ない人数になっています。

春の全国交通安全運動の画像。

最後に、この運動の組織と内容を、令和元年度(2019)を例に詳しく見ていきましょう。

全国交通安全運動は、「交通安全普及啓発事業」の一環として全国一斉に行われています。 

内閣府特命担当大臣を本部長として、交通対策本部が推進要綱を決定します。

主催:関係省庁(1府9省):内閣府、警察庁、総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、防衛省

地方公共団体(都道府県・市区町村)

関係民間団体(13団体):独立行政法人自動車技術総合機構、独立行政法人自動車事故対策機構、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構、自動車安全運転センター、軽自動車検査協会、(一財)全日本交通安全協会、(公財)日本道路交通情報センター、(一社)全日本指定自動車教習所協会連合会、(一社)日本二輪車普及安全協会、(一社)日本自動車連盟、(公社)日本バス協会、(公社)全日本トラック協会、(一社)全国ハイヤー・タクシー連合会

協賛:関係民間団体(151団体):(一社)日本民営鉄道協会、(一社)全国自家用自動車協会などの運輸交通関係団体、(公財)全国老人クラブ連合会、(福)日本身体障害者団体連合会などの社会福祉団体、日本放送協会などのテレビ放送各社と新聞各社、教育関連団体など

期間:春・秋の各10日間【原則として、春は4月6日から、秋は9月21日からそれぞれ10日間(平成12年12月26日中央交通安全対策会議決定)

秋の全国交通安全運動ポスター(令和元年度(2019))の画像。

期間前後には、主催・協賛団体などが、交通安全についての作文コンクールやポスターコンクール、標語コンクールなど、様々な取り組みを行っています。

普段何気なく見ている交通安全の取り組みですが、地域住民が自分たちで町の安心安全を守る努力をしていることに頭が下がる思いです。

みなさんもこれを機に、お住まいの町会の活動をのぞいてみてください。

【令和二年度(2020)春の交通安全運動は、新型コロナウィルス拡大のために、すべてのイベントが中止となっています。また、同年秋の交通安全運動についても、新型コロナウィルス対策を行いながら例年より規模を縮小してキャンペーンを実施しています。】

私たちの町では、自分たちの町は自分たちで守るという心構えで町の安全安心を護る取り組みをすすめています。

具体的には浅三防災訓練などの防災訓練や交通安全運動を町会単位で実施しています。

みなさんも自分たちや地域の暮らしを守る取り組みにぜひご参加ください。

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