ずいぶん前の話です。
上の娘がまだ幼稚園児だった頃の冬、お友達たちとのミニ遠足が行われることになり、ずっと前から楽しみにしていました。
いよいよ前日となった土曜日夕方、お姉ちゃんは突然39度の熱!あわてて久松町にある休日診療で受診、結果はインフルエンザの疑いがあるものの発症したばかりなので検査ができず、翌日に出直すことになったのです。
翌日の朝、さっそくお姉ちゃんを自転車の後ろに載せて休日診療所を再度受診、検査をしたら、やっぱりインフルエンザ。
薬を飲んで、脱水気味だったので点滴してもらうと、だいぶ楽になったようで、灰色だった目に生気が戻ってきました。
帰り際、「公園行きたい」ちょっと元気になったお姉ちゃんからポツリと一言。
ミニ遠足行けなかったのがよっぽど悔しかったのでしょう、止めたいのはやまやまでしたが、診療所裏の久松児童公園のベンチに並んで座ってしばらくぼーっとしていたのでした。
その時です、公園の片隅、植え込みの向うになにやら不思議なものが見えるではありませんか!
金属でできた円形のもので、上は何かが折れて無くなったようになっています。
気にはなったのですが、病身のお姉ちゃんを思い、その時はそのまま帰ったのでした。
あれはいったい何なんだろう?疑問をかみしめながらもお姉ちゃんの看病に明け暮れたのです。
薬が効いたのか、お姉ちゃんは二日ほどするとすっかり元気になって、今度は暇を持て余した彼女の相手で、私はもうくたくたです。
それから二週間ほどして、ようやくチャンスがやって来ました。
家事の合間を見て久松町まで自転車を走らせて、あの謎の物体を確認したのです。
そこにあったのは、先日見たとおりの円形をした金属製の何かの台座で、中央にポール状のものが付いていたような跡があります。
さらに周りをよく見ると、植え込みの陰に、上にコンクリートをかぶせた石垣が残っています。
これはいったい何の遺構なのだろう?しばらく見ていると、はっと気が付きました。
形状からして、石垣は橋台の一部ではないかと思い当たったのです。
すると、丸い台座は橋灯の台座でしょうか?
公園の一角をじっくり見て考え込んでいた私を、公園で遊ぶ子供や母親たちが険しい目つきで眺めているのにようやく気が付いて、あたふたとその場を退散したのでした。
あれは橋台だったのか?最近、ふとその時のことを思い出した私は、ここにあった橋について調べることにしたのです。
次回からは、公園の片隅で見つけた痕跡を調査していきたいと思います。
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