正月気分がまだ抜けきらない気分を、一気に切り替える行事がどんと焼きです。
前回は、その由来と歴史を見てきましたが、実際の行事はどんな風に行われているのでしょうか?
そこで今回は、地域の隠れた魅力をお届けする鳥蔵柳浅が、鳥越神社のどんと焼きに行ってきましたので、その様子をレポートしたいと思います。
江戸時代から鳥越神社のどんと焼きは広く知られるものでしたが、現在でもほとんどその頃と変わらない、驚くような光景が広がっていたのです!
【とんど焼き 目次】①どんと焼きってなに? / ②鳥越神社のとんど焼きに行ってきました
2020年1月8日に、鳥越神社(東京都台東区鳥越2-4-1)のとんど焼きに行ってきました。
現地到着は午後1時30分頃、境内には すでに人垣ができていて、その中に大きな火が風になびいているのが見えます。
神事は午後1時開始だったので、すでに神主さんの祝詞などが終わり、どんと焼きは佳境に入っていたのです。
いつもの静かな境内とは打って変わって、興奮に包まれた境内の中央には巨大な焚火、そしてその手前から神社入り口近くにまで列が伸びています。
その列をよく見ると、子供とその保護者が大半、どんと焼きは子供が主役の行事だと納得したところ。
そしてなにより、期待に輝く子供たちの目が、いかにどんと焼きを心待ちにしていたのかを雄弁に物語っています。
見ていると、長い列の先頭に来ると、案内の睦の方から一人に一本 先に餅がくくり付けられたワイヤーが掛けてある竹竿を受け取るようです。
その竿を持って焚火の近くに進み、各自が火の近くに竿で餅を送ってあぶるっていました。
見たところ、焚火は正月飾りなどの藁部分を集めたものを燃料にしているので火力が強いようで、うっかりするとすぐに焦げて餅が炭になってしまうので、注意が必要です。
係の人から焼けた餅を食べると一年間 無病息災になると聞いたようで、みなさん真剣に竹竿を操っていました。
しかし風向きで、炎があちらに行ったかと思うとこちらに来るといった感じに、みなさんかなりの苦戦です。
さらに、風向きによっては 煙が一気に来るので、頭の先から燻される感じになってしまいます。
このどんと焼きの炎で餅を焼く風習は江戸時代から続くもの、現代のマンションに囲まれた境内が、私には江戸や明治と重なって見えて、時代感覚が分からなくなる不思議な気分を味わうことができたのです。
ようやっと焼けた餅を食べると、竹竿を睦の方に返し、子供は記念にお菓子の詰め合わせ一袋をもらって帰っていました。
待ちきれないのか、さっそく菓子袋を開けて食べ始める子供も多く、子供たちのにぎやかな声が境内に響きます。
このどんと焼きは、午後2時過ぎに火を落として終了しました。
初詣から始まった新年の行事も、仕事始めとどんと焼きでひと段落です。
正月の華やかな気分も抜けて、鳥越はいつもの静かな町に戻ることでしょう。
鳥越神社では、1月の初詣と仕事始めから始まりどんと焼き、2月の豆まき、6月の鳥越祭と茅の輪くぐり、7月の水上祭、8月の箸まつり、11月の七五三参りと、一年を通して様々な神事が行われています。
みなさんもぜひ、鳥越神社の神事に参加して日本の伝統文化に触れてみてはいかがでしょうか。
トコトコ鳥蔵では、みなさんのメッセージをお待ちしています。ご意見、ご感想など、どんどんお寄せください!
【どんと焼き 目次】①どんと焼きってなに? / ②鳥越神社のどんと焼きに行ってきました
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