現代の小学校 運動会 みんなで楽しむ秋の一日

「運動の秋」の代表、運動会は日本人の誰しもが経験した行事です。

しかし、その内容は時とともに変化しています。

そこで、現在の運動会の様子を、鳥蔵柳浅の活動範囲である東京都台東区の南部を例にみてみましょう。

入場行進を先導する金管バンドの画像。
【金管バンドの演奏で入場行進する学校もあります。】
小学校の運動会 開会式入場行進の様子の画像。
【小学校の運動会 開会式入場行進の様子】

運動会ってどういうもの?

地域の小学校では、9月後半に自校の校庭で運動会を行います。

幼少連携教育が広く実施されている台東区では、運動会は小学校に隣接する幼稚園との合同開催の形をとるところが多くあるのが特徴です。

運動会は、児童を紅白軍に分けて競い合う形を取っていました。

これは、徒競走やリレー、団体戦種目の勝敗や順位を得点化して、それぞれの合計得点で競うものです。

運動会の徒競走の画像。
【運動会の徒競走。一番になると親からご褒美がもらえたりする。】

かけっこは楽しい?

まず、徒競走についてみてみましょう。

基本的に全員参加の競技で、順位ごとに得点が決まっていて、参加するだけでも得点が入りチームに貢献できるようになっているのです。

距離は学年によって異なり、おおむね1・2年生50m 、3・4年生80m、5・6年生100mと成長するに合わせて距離が伸びていきます。

また、非採点種目として、幼稚園児や未就学児の かけっこ が行われる学校もありました。

運動会応援合戦の画像。
【応援合戦も運動会の見どころの一つです。】

リレーは運動会の華?

次に、大会の花、紅白リレーについてみてみましょう。

大きく低学年(1・2・3年生)と高学年(4・5・6年生)に分けて、それぞれ紅白軍に分かれて行われます。

距離はそれぞれ一人につき低学年が50m、高学年が100m となっていて、走る順番は学年が低→高の順になっていました。

選手はクラスから選抜された何れ劣らぬ足自慢、スピード感たっぷりの高いレベルでの戦いとなり、観戦する児童の応援にも熱が入るのでした。

追いかけ綱引きの競技風景の画像。
【追いかけ綱引きの競技風景。戦略が大切な競技です。】

みんな大好き、集団競技

今度は集団競技についてみてみましょう。

競技は学年ごとに行われ、基本的に全員参加となっています。

また紅白軍対抗形式で、勝ったチームに多くの得点が入るため、全体の勝敗への影響が大きいという特徴を持っているのです。

競技内容は学校によって異なりますが、低学年がダンシング玉入れや玉入れ、保護者や地域の方と合同での玉入れ、大玉運び、大玉ころがし、中学年が台風の目や追いかけ綱引き、綱引き、棒引き、高学年が棒上旗取りや騎馬戦という学校が多いようです。

棒引きの競技風景の画像。
【棒引きの競技風景。状況判断力が大きくものをいう競技です。】

勝敗がわかりやすく会場が競技に集中しやすい上に、参加学年のほかの児童から熱い応援が寄せられるので、会場が異様な熱気に包まれる いずれも運動会らしい競技といえるでしょう。

台風の目の競技風景の画像。
【台風の目の競技風景。チームワークが勝利の鍵です。】

非採点競技とは?

全員参加の競技として、開会式と閉会式のほか、非採点競技として運動会はじめの準備運動や運動会終わりの整理運動があります。

特に準備体操は、運動会途中までの参加となる幼稚園児たちも参加する全員参加競技、しかも いよいよ運動会が始まったという高揚感も手伝って、運動会特有の緊張感とのどかさの入り混じった独特の雰囲気が味わえる競技です。

準備体操の競技風景の画像。
【準備体操の競技風景。一番最初の演目です。】

運動会、勝敗のゆくえ

また、全員参加の採点競技として大玉送りが最後に行われました。

これが運動会の勝敗を決めることになる重要な競技ですので、子供たちの熱気は最高潮に達します。

騎馬戦の競技風景の画像。
【騎馬戦の競技風景。大迫力で人気の競技です。】
騎馬戦の競技風景の画像。

運動会の華、集団演技

最後に非採点種目の集団演技についてもみてみましょう。

児童数の多い学校では学年ごとに、そうでない学校は二学年ごとに、紅白軍の境をなくして全員参加で行われます。

低学年では学校ごとに、また開催年ごとに内容が異なっていますが、隊列を組んでポンポンなどを持って演舞し、曲に合わせて隊列を変化させるというものが多いようです。

集団でダンスする風景の画像
【集団でダンスする風景。可愛さ満点で人気です。】
集団演舞の風景の画像。
【集団演舞の風景。近年は衣装や小物も充実しています。】

また、中学年についても低学年と同様の傾向が見られますが、より動きが大きく複雑なもの・動きを合わせる場面が多いものが行われるようです。

その代表的な演目は、なんといってもソーラン節でしょう。

さらに、低・中学年ともに衣装に工夫を凝らしたり、演舞に使う小物類も手間をかけた物で揃えたりと、年々華やかになっているように感じます。

一方で、近年まで保護者の手作りだった衣装や小物類も、市販のもので揃える傾向にあるようです。

私には、学校で保護者が集まっておしゃべりしながら衣装や小物を作った楽しい思い出があります。

よさこいソーラン演舞風景の画像。
【よさこいソーラン演舞風景。りりしさ漂うかっこいい演舞です。】

組体操の今

そして運動会のハイライトは、高学年による組体操でしょう。

練習を積んだ子供たちが、ぴったり息を合わせて行う組体操に会場は感動に包まれまるのです。

一方で、保護者にとっては子どもの成長を実感する場面でもあり、深く印象に残る演目でもあります。

近年は事故が多発した対策として、人間の塔やピラミットなどの全員が一体となるものは行われなくなりました。

それでも先生方の演出の工夫などもあって、会場を深い感動が包む大切な演目となっています。

組体操の演技風景の画像。
【組体操の演技風景。子供たちの成長を実感できる競技です。泣いてるお母さんもおられます。】

そのほかに、金管バンドや和太鼓など、学校のクラブがある所では、昼休みの前後にクラブの演奏を披露する時間を設けている学校もあります。

育英太鼓の演奏風景の画像。
【育英太鼓の演奏風景。腹の底まで響く大迫力の演奏です。】

運動会の醍醐味

子供たちが全力で競技する姿に、会場は大いに盛り上がったり、あまりの素晴らしさに息をのんだりと、子供たちの成長した姿を見て保護者や地域住民は喜びを分かち合います。

児童数の減少で規模や内容を見直さざる得ない学校も多い昨今の運動会ですが、地域のみんなで秋の1日を楽しむ大切な行事であることは変わらないようです。

最後になりましたが、この記事をまとめるにあたってご協力くださった、台東育英小学校のみなさんと、かつて地域の小学校に通われていた方々に特に記して感謝申し上げます。

私たちの町の小学生は、さまざまな学校行事を通じて成長していきます。入学式にはじまり、写生大会町探検七夕運動会、遠足、学芸会と音楽会、席書会、そして修学旅行と卒業式。

そして六年間で様々な体験をして大人になて行く子供たちを、町のみんなで見守っているのです。鳥蔵柳浅では、子供たちの地域学習と、それを支える町のみなさんを応援しています。

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