東京・台東区柳橋1丁目、昭和20年代築とみられる細路地奥の古民家です。
左は先日ご紹介した格子窓の建物、なんとも風情のある建物でした。
今回は、これとほぼ同時期に建てられた右手奥の、重厚感あふれる建物をみてみましょう。
格子窓の建物脇の路地を通って玄関へ通じています。
現在は隣が工事中のため、奥まったこの建物がみえていました。
この建物、玄関まわりや二階窓手すりなど、数寄屋風の外観がうかがえます。
目につく建築ブロックは、本来は隣家があって見えない部分。
解体されたお隣は かつての料亭で、奥に残る塀の意匠に名残をみることができます。
この建物の真価は、裏手に廻るとよくわかります。
銅板張り部分がみえてきましたが、縦線の入っている部分にも銅板が張られていたそうです。
裏手の全面に銅板を張るとは、なかなかの豪勢ぶり。
よく見ると、2階窓の手すりもなかなか立派なものです。
この隠れた銅板張の建物は、かつて東京を代表する花柳街だった柳橋の歴史を伝える貴重な存在です。
しかし、この建物も柳橋で進む再開発の波に飲み込まれる寸前です。
この建物が、これからも保存活用されることを願わずにはおれません。
(2022年11月30日)
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