「アナと雪の女王2」を見に行ってみた

映画「アナと雪の女王2」は、大人の私が見ても、見事な出来栄えの作品でした!

アナと雪の女王2チラシの画像。
アナと雪の女王2チラシ

娘たちと「アナと雪の女王2」を見に行きました。

前作を超える壮大な物語と、圧倒的な映像美に、娘ともども大いに満足でした。

前作に続いて、舞台と思われるノルウェーの自然が美しく描かれてたのも、この作品の大きな魅力。

しかし、いろいろと考えてしまうのが私の悪い癖、すばらしい物語の中でも何かと気になってしまいます。

エルサとアナって運動能力が高すぎ!と感心したり、アナが薄着過ぎるんじゃないかと心配したりしてしまいます。

前者はウィンタースポーツ強国ノルウェーの秘密を垣間見たように思いますし、後者は肉中心の食生活を推察するところです。

そして、私にとって最大の謎が アレンデール王国の富の源泉です。

アレンデールはどんな国?

アレンデールは北の辺境、農業には不向きな土地柄と思われますので穀類や嗜好品は輸入に頼るほかはありません。

にもかかわらず、巨大で美しい城が造られ、王国と民の暮らしは豊かです。

その富は、前作で隣国のウェーゼルトン公爵に「アレンデールの秘密を暴き、富を奪ってやる」とまで言わしめました。

今回はウェーゼルトン公爵に代わって、アレンデール王国の収入源について考えてみたいと思います。

アレンデールは漁業立国

アレンデール王国の産業としてまず思いつくのが漁業です。

前作では夏が舞台、漁業が盛んであることをうかがわせる場面がいくつかありました。

暖流と寒流がぶつかるノルウェー沖は世界三大漁場の一つ、漁業はアレンデールの重要な産業の一つであるとみて間違いありません。

アレンデールは林業立国

次に考えられるのが林業です。

巨大な城が木造と思われることからも、良質な森林資源が豊富に存在することがうかがえます。

目の詰まった強度の高い北方の木材は、造船や建築などに大きな需要が見込まれますので、木材の輸出が重要な産業の一つとみてよいでしょう。

また城の装飾などから推察すると、木工が盛んである可能性も考えられます。

アレンデールは鉱物資源が豊か

そして忘れてはならないのが鉱物資源です。

前作ではトロールたちが水晶など様々な宝石類を身に着けている場面がありました。

このような鉱物資源の輸出が収入源となっている可能性があります。

アナと雪の女王2の予告ポスターの画像。
映り込みが激しいです が、
アナと雪の女王2の予告ポスター。

アレンデールの富はどこから?

ここまでアレンデール王国の収入源として、漁業と木材輸出、鉱物資源の三つを考えました。

しかし、これは隣国(おそらく南隣)のウェーゼルトンにも存在すると思われます。

公爵の言動からは、アレンデールにはウェーゼルトンにない産業が存在するのは間違いありません。

それはいったい何なのでしょうか?さらに探ってみましょう。

アレンデールと十三湊遺跡

私が「アナと雪の女王2」のアレンデールを見て思い出したのが十三湊遺跡(青森県五所川原市)です。

中世の日本では「外ヶ浜から喜界ヶ島まで」が日本の領域でした。

その北の端、外ヶ浜にあるのが十三湊で、蝦夷地と日本の交易拠点として繁栄した港湾都市だったのです。

最盛期には日本七湊の一つに数えられるほどでしたが、江戸時代になると土砂の堆積などにより衰退しています。

衰退する十三湊をよそに、蝦夷地との交易は続きました。交易がもたらす富の大きさは、北前船の繁栄を見ると分かるでしょう。

アレンデールの秘密

そしてアレンデール王国です。

王国はヨーロッパの北の果てに位置し、北はトナカイに代表される北方遊牧民の世界と接しています。

北極圏はヨーロッパとは異なる厳しい自然が支配する場所であるとともに、ヨーロッパにない様々なものを生み出す場所でもあるのです。

推定されるのは、毛皮などの動物資源、ヨーロッパにはない植物から採れる植物資源、そして鉱物資源です。

十三湊でみたように、アレンデールでも北方民族との交易をおこなっていたと考えられ、これがアレンデールにあってウェーゼルトンにない重要な収入源と想定できるのです。

これはアレンデールがヨーロッパの北の果てにあるからこその特権といえます。

そして、アレンデールにとって北方民族といかに安定的な関係を築くか ということは、王国の存亡にかかわる極めて重要な問題であったことが分かります。

ですので、北方民族に向けて 遠くからでも目に付く灯台の役割を果たすとともに、自らの権威を示す華麗で巨大な城を築く必要があったのでしょう。

結果として城がアレンデールの存在と豊かさを象徴する存在となっているのです。

「アナと雪の女王2」の魅力

ここまでアレンデール王国の収入源について考えてきました。

このように、「アナと雪の女王2」では、多くは語られないものの、学術的視点についても見事に踏まえたものとなっているのです。

物語の背景に組み込むことで、物語に深みと現実性を与えることに成功しているように思いました。

私は文化人類学や経済地理学に詳しいわけではありませんが、このような観点を踏まえて作品を作り上げているディズニーは、やっぱりすごいな、としみじみと実感するのでした。

みなさんはどう思いましたか?

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