鳥越神社〔東京都台東区鳥越2-4-1〕で、6月晦日の夜に行われる神道儀礼と伝統行事です。
今回はこの行事に参加してきましたので、その報告をします。
鳥越神社の茅の輪くぐりは、本殿前に特設された巨大な茅の輪をくぐって夏の無病息災と寿命長久を願う儀式で、江戸の頃から広く知られる行事でした。
鳥越神社で茅の輪くぐりの神事が行われるようになった時期は記録がないためはっきりしませんが、江戸周辺の事例から江戸時代前期ごろではないかと推察できます。
次に、神事の流れを見てみましょう。
儀式はまず、鳥越神社の氏子代表や町会代表、氏子の各町会からの参加者が参集して列3~4名縦隊の列を作り、茅の輪の前に並びます。
その後を一般参加者がこれに続きますが、定員が決まっているようで、これを超える場合は神事への参加を丁重に断りしていました。
神事の開始前には列が茅の輪の前から鳥居前までの長さまでになり、ほぼ境内は人でいっぱいになります。
準備が整うと、宮司が神職を伴って列の先頭に立って、神事が始まります。
まず、宮司が参列者と茅の輪をお祓いしたあと、宮司を先頭に茅の輪をくぐります。
一度くぐって、ゆっくりと境内から鳥居をくぐって一度外に出て、正殿正面から境内に戻り、茅の輪前に進みます。これを三回行うのですが、この宮司たちを先頭に、先の行列約200名がこれに続いていきます。
行列は特に全員が動きを揃えるわけでもありませんので、非常に自由でのびやかな、開放的な感じです。
行列が三周して戻ると茅の輪くぐりの神事は終了し、氏子の各町会からの参加者は散会して茅の輪は一般参拝客に開放されます。
一方で、宮司や神職は氏子代表や町会代表の二十人ほどを引き連れて本殿内に参内します。
氏子代表以下が整然と坐した前で、宮司が神事を執り行います。宮司が大祓詞をあげる大祓が執り行われると見られますが、非公開なので詳細は不明です。
社務所で事前に納められた人形(紙で作ったひとを模った祓具)に祓えするのもこの神事の中のようです。
この大祓は、翌日に行われる鳥越神社水上祭に繋がっていきます。
みなさんも暑い夏を無事に過ごせるように、茅の輪くぐりに参加しませんか?
鳥越神社では、1月の初詣と仕事始めから始まりどんと焼き、2月の豆まき、6月の鳥越祭と茅の輪くぐり、7月の水上祭、8月の箸まつり、11月の七五三参りと、一年を通して様々な神事が行われています。
みなさんもぜひ、鳥越神社の神事に参加して日本の伝統文化に触れてみてはいかがでしょうか。
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