地域の隠れた魅力をご紹介する鳥蔵柳浅、今回は柳橋から両国に、隅田川に架かるJR総武線隅田川橋梁を紹介します。
関東大震災からの復興事業で、それまで両国止まりであった総武線は御茶ノ水まで延伸させて昭和7年(1932)7月1日に開通しました。
その際、隅田川に架けられた鉄道橋が今回紹介する鉄道橋です。
橋長170.8ⅿ、複線で鋼材重量1,365tf、工事費415千円、設計は鉄道省官房研究所、橋桁制作は横河橋梁製作所です。
この橋の最大の特徴は、日本で初めてランガー桁を採用したことです。
ランガー橋って何?
ランガー橋を理解する手始めに、この橋の上流側にある蔵前橋を見てみましょう。
すると、橋の下にあるアーチの根元が直接橋台にしっかりと置かれているのが見えるでしょうか?
このようにアーチが橋に架かる重さを直接支える構造になっている橋をアーチ橋と呼んでいるのです。
では、ランガー桁橋とはどのような橋なのでしょうか。
通行する車や橋そのものの重さは、橋桁部分が直接支えるのが桁橋です。
ただし、一か所に重さが集中すると桁が折れてしまいます。
そこで、アーチを付け足して橋に架かる重さが一か所に偏らないように分散させることにしたのです。
このように、桁の上に補助的なアーチを設けたものをランガー(桁)橋と呼んでいます。
後編では日本最初のランガー橋誕生の背景を探ります。
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