仕事始めの鳥越神社に行ってみました。

仕事始めに、会社の仲間と最寄りの神社で、一年間の商売繁盛と無事を祈る慣習は、なんともすばらしいことですね!

そこで、地域の隠れた魅力をお届けする鳥蔵柳浅、今回は仕事始めの鳥越神社をレポートしたいと思います。

仕事始めの参拝客でにぎわう鳥越神社の画像。
【仕事始めの参拝客でにぎわう鳥越神社】

晴れ渡った空の下、正月休み明けの1月6日㈪ 仕事始めの日に鳥越神社(東京都台東区鳥越2-4-1)に行ってきました。

現地到着は1月6日午前11時頃、一見したところ普段とは違って、境内にはスーツ姿の人が多い印象です。

初詣の時のような華やかさはありませんが、みなさんが楽しそうで境内は明るい雰囲気に包まれていました。

拝殿前に目を転じると、参拝客20人ほどが列を作っているのが目に入ってきました。

神社の方にお話しを伺ったところでは、午前10時頃 一番参拝客が多く、現在は空いてきたところだそうです。

この後、列に並んで10分ほど待つと、拝殿前に到着しました。

並んでいた時に前後の方に話を聞いてみると、スーツ姿のみなさんは近在の会社の仲間だそうです。

仕事始めに職場に出勤して挨拶などした後、一緒に鳥越神社に参拝に来られたとのことでした。

中には若い方も多くおられたのですが、みなさん熱心にお祈りされていました。

思い切って何をお祈りしたかお伺いしたところ、「もちろん、会社の発展です!」とか、「会社の仲間の無病息災、そして商売繁盛ですかね。」と笑いながら教えてくださいました。

参拝が終わると振る舞い酒の接待がありましたが、仕事中のためか、遠慮される方が結構多かったのは驚きです。みなさん真面目なんですね。

目を転じると、境内の一角、神楽殿前に屋台が掛けられています。

この小屋では、古いお札を納めて、新しく注連飾りや熊手、絵馬や破魔矢を売っていました。

この光景を見て、私は少し意外に思ったのでした。

というのも、注連飾りや熊手は年末に買うもののイメージがあったからです。

しばらく見ていると、古い注連飾りなどを持参した方が、それを納めた後に同じものを買い求める、という光景を何度か見かけました。

なるほど、仕事始めに合わせて職場の縁起物も新しくするようです。

しかし、と思い返します。江戸時代から戦後しばらくまで、ここ鳥越神社では酉の市歳の市も開かれており、たくさんの人で賑わっていました。

そして戦後、社会や生活のスタイルが大きく変わる中で、酉の市や歳の市の多くがなくなってしまったのは、酉の市羽子板市の段で見たとおりです。

浅草 羽子板市の画像。
【浅草 羽子板市】

おそらく、他の多くの神社と同じように、鳥越神社でも市を立てるのが難しくなっていったのでしょう。

そんな中で、近在の会社の方々は仕事始めに合わせて縁起物を買うようにして、鳥越神社の縁起物販売を残した、ということでしょうか。

あるいは神社側の「商売上の機転」なのかもしれません。

いずれにせよ、形は変わっても鳥越神社で酉の市と歳の市がまだ残っていることは嬉しいことでした。

境内の賑わいも正午を回ると収まっていき、再びいつもの通りの静かな境内に戻るとのことでした。

鳥越神社では、1月の初詣仕事始めから始まりどんと焼き、2月の豆まき、6月の鳥越祭と茅の輪くぐり、7月の水上祭、8月の箸まつり、11月の七五三参りと、一年を通して様々な神事が行われています。

みなさんもぜひ、鳥越神社の神事に参加して日本の伝統文化に触れてみてはいかがでしょうか。

トコトコ鳥蔵では、みなさんのメッセージをお待ちしています。ご意見、ご感想など、どんどんお寄せください!

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