日本刀を日本国外に送る方法 長岡日本刀研磨所③

長曽祢乕徹の脇差の画像。
【長曽祢͡乕徹の脇差 乕徹は大変人気のある刀工です。】

美しい日本刀は日本人のみならず海外にも多くの愛好者がおられます。

ですので、近年は海外の愛好家の方が日本国外に日本刀を送ることも多くなっているのです。

日本刀は大切な日本の歴史的文化財ですが、実は中華人民共和国とロシアを除くすべての国に送ることができるのです。

前回は日本刀の入手方法についてお伝えしましたので、今回は日本刀を日本国外に送る方法と注意点についてまとめてみました。

長岡日本刀研磨所 目次①長岡日本刀研磨所に行ってみました / ②日本刀を手に入れるには?③日本刀を日本国外に送る方法  番外編:1「大刀剣市」に行ってみた番外編:2「新春浅草刀剣まつり」に行ってみた

  日本刀を日本国外に送る手続きの流れ

   Ⅰ.日本刀を購入する

        ▼    

   Ⅱ.「輸出許可」を取る

     ①輸出許可申請用紙をもらう

        ▼   

     ②輸出許可申請書を作成する

        ▼ 

     ③輸出許可申請書を提出する

        ▼ 

     ④輸出許可が下りて、手元に届く

         ▼

  Ⅲ. 送りたい場所へ発送する    

Ⅰ. まず、日本刀を手に入れましょう。

これについては「日本刀を手に入れるには?」を参照してください。

ただし、購入時で発送までの労力がかなり変わって来ますので、この記事を最後まで読んで購入のご参考にしてください。

福岡一文字 吉元の太刀の画像。
【福岡一文字 吉元の太刀】

Ⅱ.「輸出許可」を取る

Ⅱ-①. 日本刀【日本刀には刀、太刀、脇差などの種類がありますが、この記事ではこれらを一括して日本刀と呼びます】は日本の歴史的な文化財ですので、日本国外に持ち出すには文化庁からの許可が必要になります。

それでは、許可を得るまでの手続きを見てみましょう。

「輸出許可」の担当は、文化庁文化財部美術学芸課です。

まずは こちらに連絡して申請用紙を送ってもらいます。

Ⅱ-②. 送られてきた申請用紙に、輸出しようとしている人の住所・名前・受取る人の住んでいる国、その詳しい住所、輸出港(EMSで送る場合は東京国際郵便局になります)などの必要事項を記入します。

書く時に間違った場合、修正インクを使わずに必ず訂正印を押してください。

武蔵繁慶と井上和泉守  鍔と拵えを外した状態の日本刀の画像。
【武蔵繁慶と井上和泉守  鍔と拵えを外した状態。】

添付する当該日本刀の写真を準備します。

写真は鍔や拵えなどをすべて取り外した状態での刀身の全体写真を表と裏の両面、茎(なかご)の表と裏、合わせて4枚撮影します。

以上の申請書と写真をセットにして2部用意しましょう。

Ⅱ-③. これを当該日本刀の「鉄砲刀剣類登録証」【以下では「登録証」と記述します、購入した日本刀には必ずついているものです】と一緒に文化庁文化財部美術学芸部に持って行くか、郵送で申請します。

そして許可が下りた後に、自分で取りに行くか郵送するかをこのタイミングで決めておきましょう。

郵送で受け取る場合は、送料(郵便料金+配達記録郵便代)分の切手を申請時に渡しておきます。

また、申請時に渡した「登録証」は戻って来ませんので、申請前にコピーを取っておくことを忘れないで!!

Ⅱ-④. 文化庁の担当者が申請されたものが輸出禁止品でないと確認した後に「輸出許可証」を発行してくれます。

これは、提出した申請書の1部に輸出許可の印を押したものです。

申請してから約1か月で許可が下ります。

刀剣市の画像。
【各地で開催される刀剣市を見学するのもおすすめです。写真は新春浅草刀剣まつりの様子。】

Ⅲ. 輸出許可証が届いたら、日本刀を日本国外に送ります。

郵便局のEMSを利用することが主流ですが、その場合は輸出許可証を添付する必要はありません。

その他の場合は添付する必要がある場合があります。

また、フランスへ送る場合はEMSが使用できません。

その他にも国によって送る方法に制限がある場合があるのでご注意ください。

またこの際、日本刀は高価ですので、輸出保険をかける必要がありますし、送り先の国で関税がかかる場合があります。

もちろん、申請が下りるまで待って、自分で携行して持ち帰ることも可能です。

この場合、飛行機内持ち込みはできませんのでご注意を!!

        ☆     ☆

以上が日本刀を日本国外に送る方法です。

はっきり言って時間と手間がかかるので、自分ですべて行うのは難しいと思います。

とくに、初めての方は自分一人での手続きはやめた方がいいでしょう。

そこで、日本刀購入するときに日本国外へ送る手続きもしてくれる専門業者や専門家に依頼することをお勧めします。

依頼すると、日本からの発送までの手続きについて責任をもってやってくれます。

長岡日本刀研磨所を主宰する 研師・長岡靖昌さんの画像。
【長岡日本刀研磨所を主宰する 研師・長岡靖昌さん】  

注意しないといけないのは、配送中に紛失や盗難の被害にあう場合です。

もちろん日本刀は高価ですので、これらの被害にあう可能性が否定できません。

この点についても、専門店や専門家は経験がありますので相談に乗ってくれます。

   ☆     ☆

日本刀を日本国外に送る方法を見てきました。

最後に、購入から発送まで行ってくれる長岡日本刀研磨所の研師・長岡靖昌さんをご紹介します。

長岡先生は日本刀への造詣が深い上に親しみやすい人柄で、日本刀の魅力や扱い方からお手入れの方法分かり易く丁寧に教えてくれるのです。

ぜひ一度、訪ねてみてください。

長岡日本刀研磨所 目次①長岡日本刀研磨所に行ってみました / ②日本刀を手に入れるには?③日本刀を日本国外に送る方法番外編:1「大刀剣市」に行ってみた番外編:2「新春浅草刀剣まつり」に行ってみた

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6 件のコメント

  • 早川様
    ご連絡ありがとうございます。
    現在、私とお付き合いくださっている刀商様や研師の先生は、みなさんEMSを利用されています。理由をお伺いすると、やはり日本刀を送るにはそれなりのリスクが避けられず、リスク対応の面でEMSが一番優れている(完全ではないですが・・・)とおっしゃっています。
    他の方法もざっと見たところ(例えば、手荷物で持参するなど)、みなさんのご意見が正しいように思われましたので、私もこれに従っております。
    以上により、申し訳ありませんがEMS以外の日本刀を海外に送る方法は分かりません。
    お役に立てなくて申し訳ありません。

  • 当サイトの文章の中に、中国とロシア以外で海外への持ち込みが可能と書かれていました。タイ国の友人にと思って輸入規制を見たのですが、武器などは禁止みたいな事が書かれていました。日本刀はあくまでも美術品という取り扱いであって、武器ではないのでしょうか?また国内の登録証の取り消しの手続きはどのようにすれば宜しいのでしょうか?

    • 宇野克也 様

      こんにちは。
      お返事が遅くなってすみません。
      長岡先生と、念のためJPに問い合わせした回答が出そろいましたので、併せてお知らせします。

      宇野様の言われていたとおり、タイ国では武器の輸入が禁止されています。
      ここでいう武器とは「銃砲類等」を指すとして運用されていますので、基本的に日本刀はこれに当たりません。
      ただし、過去には「等」の部分に当たるとして税関で没収されたケースがあるそうです。
      税関の担当者によっては没収されるケースがあると念を押されたので、お知らせいたします。
      やはり、欧米に送るよりもリスクが伴うようです。

      そのほか、EMSで送るのは通常の通りです。
      私の印象としては、やはり情報量が少ないので、リスクをさせるためにも現地の方に確認してもらうのがよいと思います。

      あと、ブログで書いたように国内手続きが必要です。
      これがかなり手間がかかるので、個人的には専門家にお願いしるのが間違いないのかな、と思うところです。

      まずは取り急ぎ用件のみにて失礼します。

      まだまだ新型コロナ禍が続いております、くれぐれもご自愛ください。

         鳥蔵柳浅

    • 宇野克也様
      ご連絡、ありがとうございます!
      確かに、日本刀を輸入する手続きは国によってかなり違います。
      フランスや台湾のように、日本刀が独立した品目になっている場合もあります。
      残念ながら、私はタイ国については輸出可能国の一つとしてきただけで、具体的な状況が分かりません。
      そこで、長岡先生に聞いてみますので、一週間ほどしてからお返事差し上げたいと思うのですが、いかがでしょうか?

      あと、日本からの輸出手続きについては、相手国がどこでも手続き内容は同じと聞いております。
      こちらについては、記事の内容をご確認ください。
      輸出申請手続きの途中で、自動的に登録証が取り消しになるのが分かると思います。

      まずは取り急ぎ用件のみにて失礼します。
         鳥蔵柳浅

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